ニチレイフーズは1月14日、電子レンジで仕上げる冷凍「冷やし中華」を3月1日より発売すると発表した。
電子レンジを使った冷凍食品といえば、できたてのアツアツをイメージすることが多いだろう。今回の新製品は、袋を開けて容器ごと2分50秒温め、付属のたれを混ぜ合わせると、つめたい冷やし中華が出来上がるのだ。
電子レンジで冷たい調理が出来上がるのは不思議にも思えるが、マイクロ波の影響を受けにくい氷の特性を利用した独自技術を活用したものだ。
たとえば、コップに水をいれたものと、氷だけを入れたものをそれぞれ電子レンジに30秒かけるとどうなるか。水を入れたものはお湯になるが、氷だけを入れたものは、氷はほぼそのまま残る。
今回の冷やし中華は、袋を開けると冷凍麺の上に氷が載っている。そこがポイントで、電子レンジ調理後にも適度に氷が残ることで解凍した麺を冷やし、冷たい状態で食べられる。
ニチレイフーズ 家庭用事業部 家庭用商品グループリーダーの城戸俊治氏は、「これまで冷凍食品にとって、氷はやっかいものだったが、その原理を応用。冷凍食品を長年研究し続けてきた当社ならでは」と自信を見せた。
開発にあたっては、過去の研究履歴を洗い直した。氷を活用することはすぐに決まったものの、理想の時間内で麺と具材の両方を最適な温度、品質に仕上げることが非常に難しく、構想から約5年、具現化するまで約3年かかったという。
なお、麺は自社工場で製麺し、打ち立て、茹でたての麺を急速凍結することで、生麺のようなつるつるとのど越しの良い食感を実現した。
具材は、自家製煮豚、錦糸卵、オクラ、紅生姜で、彩り豊かな華やかさと満足感のある食べ応えのある食材を採用している。
また、具材は別トレイ入りにすることで、具材同士が混ざらないしくみ。また、自身で具材をトッピングする楽しみもある。
家庭用の冷凍食品市場を見ると、「ラーメン・その他麺類」は、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年と比べ、この4年間で1.4倍に成長している。
家庭内で食事を素材から調理せずに加工食品や惣菜・外食などを活用するライフスタイルの変化や新型コロナウイルス感染症対策におけるテレワークやオンライン授業などの浸透、在宅時間の増加など社会環境の変化によって“個食”が拡大していることが背景にあるという。
そうした中でニチレイが個食商品の第一弾として生みだしたのが、新技術を付加した冷やし中華だ。
なお、ウェブやSNSを活用したプロモーションにも力を入れる。ひと足先に試食ができるTwitterフォロー&リツイートキャンペーンを同日より実施する。応募締め切りは1月21日まで。
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