次の写真はもっと複雑で、夜にライトアップされた環境で撮影したものだ。今回は、Pixelの写真の方が明るいが、それは必ずしも良いことではない。Pixelの写真は光のバランスが少し崩れているため、iPhoneの写真の方がコントラストが優れて見える結果になっている(サボテンが入った樽の黒色に注目してほしい)。
ただし、Pixelは、iPhoneがキャプチャーできなかったディテールをとらえている。最も顕著なのは、右側のサボテンにかかっている蜘蛛の巣だ。これは、Pixelで撮った写真の多くで筆者が気づいたことも表れている。つまり、Pixelは影を嫌う傾向があるのだ。Pixelのカメラは、重点的に、iPhoneでは暗くなってしまう部分のディテールを捉えようとする。Pixel 6 Proはメインカメラを使用してクロップしているため、ディテールに関して少し有利にはたらくという点も留意しておきたい。
下の写真はズーム撮影したものではないが、Pixel 6 Proの特徴を分かりやすく伝えるために掲載した。上のサボテンの写真では、各所を明るくすると人工的に見えてしまい、裏目に出る場合もあることが分かる。しかし、下の写真では、iPhoneが捉えられなかったディテールを捉えており、印象的な1枚となっている。
暗所では、大抵の場合、iPhoneの方が優れていると感じた。下の壁画の写真では、iPhoneの方がより多くの光とディテールを捉えている。ただし、Pixelの写真の方が色に深みがあることにも注目してほしい。
また、Pixelは日中に過剰に処理されたように見える画像を生成することがあるが、夜には逆の現象が見られることがよくあると感じた。石の十字架を撮影した下の写真では、iPhoneの方は明るいが、Pixelに比べてノイズが多く、やや醜い色合いになっている。
それでは、各スマートフォンで倍率4倍の写真を撮影してみよう。Pixel 6 Proが4倍ズームの光学望遠カメラを使用するのに対し、iPhoneは3倍ズームの望遠カメラを使用し、デジタルクロップで4倍の倍率を実現する。違いはそれほど大きなものではないが、見れば気づくだろう。iPhoneの写真を3倍から4倍に拡大するデジタルズームによって、処理が少し目立つようになり、鮮やかさが少し失われる。
以下の比較写真を見ると、デジタルズーム処理の影響がよく分かる。Pixelの写真の方が少し鮮明で、iPhoneの写真は、デジタルズームの影響で彩度が下がっている。例えば、木の緑色の部分は、Pixelの方がはるかに濃くなっている。
頭部の彫像を撮影した下の写真についても、ほぼ同じことが言える。ここでも、Pixelが影(今回は彫像の顔部分)を明るくする傾向が表れていることに気づくだろう。それだけでなく、Pixelの写真の色合いの方が生き生きとした感じがあることも確かめていただきたい。
下のドッグパークの看板の写真では、iPhoneのデジタルズームが原因で、明らかに過剰な画像処理が施されている。草の葉、水の波紋、看板の質感など、すべてが人工的にシャープにされたように見える。
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