Strategy Analyticsによると、対面の授業や業務を再開する学校や企業が増加する中、「Chromebook」の販売が際限なく伸びる時期は終わったようだ。
2021年上半期には、在宅学習やリモートワークが多くの人の日常となった。ChromebookはPC市場でどのカテゴリーよりも急速に販売台数を伸ばし、主に「Windows」ハードウェアのシェアを奪った。
PC市場はこの18カ月、激しく変動した。コロナ禍で、約10年減少し続けていたPCの販売台数が増加に転じ、HP、Lenovo、Dellなどが提供するChromebookの販売が急速に伸びた。しかし現在、AppleやHPなどのハードウェアメーカーは、世界的なチップ不足に見舞われている。
Strategy Analyticsによると、2021年第3四半期には、商用需要で高価格帯PCに勢いがみられた。また、「MacBook Air」やゲーム用ノートPCの値下げによって、一般消費者の購入も増加した。Chromebookの成長は失速しているものの、ノートブックPC市場は前年同期比で8%成長した。Dellが最も出荷台数を伸ばし、前年同期比50%増だった。
米国で対面授業が再開されたことが、Chromebook販売の伸び鈍化につながっているようだ。
Strategy Analyticsのコネクテッドコンピューティング担当ディレクターEric Smith氏は、「何四半期も好調だったChromebookの出荷は、前年同期比の増加率が1桁に減少した」と述べている。
「多くの学校が対面授業を再開し、コンピューターの購入より他の支出が優先された中、米国で教育市場の需要が減速した。ベンダー数社は既に、注文がキャンセルされたり、新たにコンピューティングデバイスに予算を利用できるようになるまで延期されたりしている」(Smith氏)
2021年第3四半期にノートブックPC出荷台数が多かったハードウェアベンダー上位5社は、Lenovo、HP、Dell、Apple、ASUSだった。合計出荷台数は、前年同期比8%増の6680万台となった。Lenovoは、前年同期比5%増の1530万台、HPは5%減の1430万台、Dellは50%増の1220万台だった。Appleは10%増の650万台で、「macOS」事業の四半期業績は同社史上最高となった。ASUSは前年同期比10%増の510万台だった。
Strategy Analyticsによると、Dellは引き続き3位だが、市場シェアは前年同期から5.1パーセントポイント伸び、18.2%に達したという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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