アップルは常にアンチMS、今や「Windows 11」が反アップルに?

Ian Sherr (CNET News) 翻訳校正: 編集部2021年07月08日 07時30分
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 一見したところ、Microsoftの「Windows 11」は、世界の多くのPCに搭載されているOSであるWindowsの堅実なアップデートだ。まず目に留まるのが、Appleの「iOS」やGoogleの「Android」を搭載するスマートフォンやタブレットを彷彿(ほうふつ)とさせる合理的なデザインだ。Microsoftはまた、コロナ禍を新たなやり方で切り抜けようとする人々を支援する機能を追加した。例えば、動画チャットアプリの統合や、ゲームをより快適にする技術、アプリの操作や文書の整理をするための洗練されたボタンやウィンドウなどだ。

MicrosoftのSurface LaptopとAppleのMacBook Air
Windows 11は無償アップグレードとして年内に提供予定だ
提供:Sarah Tew/CNET

 しかしMicrosoftは、最も重要なウリは囲い込みをしないことだと信じている。Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Satya Nadella氏はWindows 11の発表後、同社のテクノロジーは、競合するGoogleのAndroidアプリを含む、可能な限り多くの製品と連携するように構築されていると語った。

 「現在、世界はアプリ自体がプラットフォームになり得るような、よりオープンなプラットフォームを必要としている。Windowsは、Windowsより大きなものが生まれる可能性を持つプラットフォームだ」(Nadella氏)

 同氏はGoogleに対し、Windows上にAndroidのアプリストアを展開するよう促すことで、この点を強調した。同氏は開発者に対しては、「Microsoft Store」での有料アプリ販売の手数料を少なく、あるいは無料にすると伝えた。世界中で訴訟や独禁法調査につながっている、最低でも15%というAppleとGoogleの手数料とは大きな違いだ。さらに、Nadella氏はAppleの「FaceTime」などのテクノロジーをWindows 11およびMicrosoft Storeでも歓迎すると語った。

 「現在のあまりにも多い障壁を取り除き、リアルな選択肢と繋がりを提供したい。OSとデバイスはユーザーのニーズに合わせて形作るべきものであり、その逆ではない」(Nadella氏)

Windows 11に組み込まれたTeams
Microsoftは動画チャットサービスのTeamsをWindows 11に組み込んだ。
提供:Microsoft

 Windows 11でMicrosoftが行ったことは、世界で最も時価総額の高いソフトウェア企業である同社による大転換の、最新の動きだ。20年前、MicrosoftはWindowsの力で競合を潰そうとし、米連邦裁判所に独禁法違反との判断を下された。その強引な戦術と問題の発生しやすいOSは悪評高く、テクノロジー業界の人々はチャットルームで同社を「MS」ではなく「M$」と略していた。同社がユーザーのニーズよりも自らの利益を優先しているという皮肉だ。

 競合他社もユーザーに同調した。2000年初頭、Googleは初期の検索エンジンを、同社の企業理念である「Don't be Evil」(邪悪になるな)で売り込んだ。Appleは2005年にMacのマーケティングキャンペーンで、Windowsを搭載したPCを不器用で傲慢な愚か者として配役する「Get a Mac」キャンペーンを展開した。

 コメディアンのJohn Hodgman演じるキャラクター「PCくん」は「実のところMacくんが飛ぶように売れているので、私はメッセージを出さなければ。そこで、みなさんが必要とする唯一のコンピュータであるPCのためにこれからバズマーケティングをする」と語り、「すごい!」と「とってもクールだ!」と書いたプラカードを掲げる。

 だが、それから時は流れ、世の中は変わった。Googleの行動規範にある有名な「Don't be evil」を、Alphabetは2015年に定めた行動規範に採用せず、その代わりに「Do the right thing」(正しきことをなせ)を掲げた。Googleは現在、独禁法関連の調査を受けている。そして、Appleによる「iPhone」と「App Store」の統制的なアプローチは、欧州と米国で訴訟と政府当局の調査を招いた。これらの調査は、出会い系アプリTinderのメーカーIAC、音楽アプリのSpotify、ゲーム「フォートナイト」の開発元Epic Gamesなどの主要なアプリ企業からの苦情申し立てを受けて開始された。

 一方、Nadella氏は2014年にCEOに任命されて以来、Microsoftで変革を続けている。同氏はパートナー企業、競合他社、さらには従業員に対するアプローチを和らげようとしてきた。同氏は2018年、その改革は「壊れたものを復興させるルネサンスのようなものだ」と米CNETに語った。

 Microsoftは今、Windows 11を競合から一歩抜きん出るチャンスと見ている。

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