世界的な大手ソーシャルメディアプラットフォームのFacebook、Google、Twitter、TikTokは、パリで開催されている国連のGeneration Equality Forum(GEF:平等を目指すすべての世代フォーラム)で現地時間7月1日、女性がより安全にSNSを利用できるようサービスを改善すると約束した。
これまで、World Wide Web Foundationらは1年以上にわたって協議を重ねてきた。World Wide Web Foundationは、ウェブの生みの親であるTim Berners-Lee氏が創設した非営利組織だ。協議では、35カ国から120人以上の専門家が、オンラインでのエクスペリエンスについて話し合い、ワークショップで解決策を検討した。World Wide Web Foundationでジェンダーとデータの権利を担当するシニアポリシーマネージャーのAzmina Dhrodia氏はインタビューの中で、各社が署名した約束事項(コミットメント)の策定において、これらの女性たちのエクスペリエンスを中心に考えることが不可欠だったと述べた。
同日に発表された公開書簡では、多くの女性著名人がFacebookのMark Zuckerberg氏やTwitterのJack Dorsey氏をはじめとする各社の最高経営責任者(CEO)らに対し、連名で「女性の安全を優先」するよう求めている。俳優のEmma Watson氏、Gillian Anderson氏、Maisie Williams氏、Ashley Judd氏、Thandiwe Newton氏、ミュージシャンで女性を支援する団体The Circleの創設者Annie Lennox氏、ミュージックアーティストのFKA Twigs氏ら著名人も署名している。
書簡の中で引用された統計値によると、オンラインで嫌がらせを経験したことのある女性は世界全体で38%に上り、Z世代やミレニアル世代ではこの数字が45%に達するという。書簡には、次のように書かれている。「本日あなたたち(SNS各社)が署名するコミットメントは、世界中の女性と少女があなたたちのプラットフォームで受けている嫌がらせに対して、あなたたちが断固たる措置を講じることを、これらの女性と少女に約束するものと見なされなければならない」
このコミットメントでは、「女性がオンラインにおける安全性を管理できるより優れた手段を構築すること」と「報告システムの改善を実施すること」に焦点を当てている。安全性を管理する手段については、誰が投稿に閲覧、共有、コメント、返信できるかなどのより細かい設定を設ける、ユーザーエクスペリエンス全体でよりシンプルで分かりやすい言葉を使う、安全性を高めるツールに簡単にアクセスできるようにするといった項目が挙げられている。
報告システムの改善については、女性が自分の報告を追跡、管理できる機能を設けることが求められている。報告した投稿が処理される過程を追跡できるようにすることで、それらがどのように処理されるかをより詳しく把握できるようになる。また、コンテキストや言葉遣いに対応できる度合いを強化する、嫌がらせを報告する際のさらなるポリシーやサービスのガイドラインを提供する、報告の過程でヘルプやサポートにアクセスするさらなる手段を設けるといったことも挙げられている。
World Wide Web Foundationは、テック企業がこれらのコミットメントの実現をいかに進めているかを毎年報告するという。企業は、コミットメント実施の進展状況に関するデータや洞察を定期的に公開する予定だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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