たとえるなら「何でもできるパソコン」--IoT×卓上IH「Repro」に見る調理の可能性 - (page 4)

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Reproは「何でもできるパソコンのようなもの」

 1度単位、1秒単位で温度と時間を調整でき、炒め調理から煮込み調理、揚げ物までできる。最先端の調理科学も取り入れつつ、かなり細かくレシピを突き詰められるのがReproの興味深いところだが、調理の時短にもつながる。

 「もともとは、ちゃんとだしを引ける機械を作りたいと考えてReproを開発したが、Reproのいいところはほったらかしにできることにもある。吹きこぼれもしないので、作業としての料理から解放される。俄然、趣味としての料理になっていくので、それがいいところだ」(菊地氏)

 たとえば「卵黄だけのカルボナーラ」は卵黄が固まり始める65度より3度低い62度に保温して作るため、誰でも簡単にとろっとしたカルボナーラソースを作れる。

 通常は湯せんして作る「ソース・オランデーズ」や「カスタードクリーム」なども鍋でそのまま作れるので、余計な道具を使わずに済む。そのほか、「大根の味噌汁」のような「手抜きレシピも用意している」という。

 「レンジでチンした大根とだしを98度で10分加熱したら、70度になるまで放熱し、そこから70度をキープする。その時点で味噌を入れると、味噌の風味をほとんど飛ばさずにキープできる」(菊地氏)

「ラ・ココット de GOHAN」で炊いたご飯
「ラ・ココット de GOHAN」で炊いたご飯

 「みんみんの冷凍餃子(テフロン20cm)」というレシピもユニークだ。栃木県宇都宮市に本拠を構える人気店「みんみん」の冷凍焼き餃子をおいしく焼き上げるためのレシピだ。

 「宇都宮の『みんみん』や『正嗣(まさし)』の餃子など、お店で食べる味をReproで再現したい。『サッポロ一番』のレシピには『500ccの水を入れて』とある。開発した人はこれくらいの鍋を使うとこれだけ水が蒸発するから、このスープの量と考えているはず。開発者が考えた理想のサッポロ一番を再現したい」(菊地氏)

 名店の味をお墨付きの方法で調理できるようになったら、さらにReproの魅力が高まりそうだ。

 現在は鍋やフライパンに加えて、圧力鍋をコントロールできるように開発を進めているという。「圧力鍋のベント(余分な圧力を抜く)時の温度などをプロファイリングすれば、圧力鍋も制御できるようになる。そうすると電気圧力鍋のように扱えるようになる。圧力鍋は対流が少ないため濁りにくく、コンソメを取るのにいいと言われている。圧力鍋のプロファイルを公開したら、コンソメのレシピも公開する予定だ」(菊地氏)

 鍋やフライパンごとに異なるプロファイルを計測し、それに合わせて1度単位、1秒単位で精密に加熱するReproはかなりマニアックなようにも思えるが、「何でもできるパソコンのようなものだ」話す。

 「手で伝票を書いていた人がエクセルを使ったら仕事が効率化できるように、最初は使い方が分からなくて難しいけど、覚えた先には膨大な世界が広がっている。昭和女子大学の管理栄養学科が10台導入して調理実習や調理学実験などに活用しているが、大学生は『スマホと同じ』といってReproの使い方にもすぐに慣れてしまった。10年くらいすると『昔は弱火とか中火とか言ってたらしいよ』と言われるような時代が来るかもしれない」(菊地氏)

 「Reproがあれば料理の世界が変わる。その新しい世界が見たい」と語った菊地氏。価格は決して安くはないが、プロの料理人から、趣味の料理を突き詰めたい人、調理時間を短縮して手間を省きたい人まで、幅広く使えるだろう。

左から、プロデュース・オンデマンド Repro開発チームの折田陽子氏、代表取締役社長の菊池頼氏、プレス・チーフプロファイラーの門之園知子氏、コンテンツソリューション部の熊川充洋氏
左から、プロデュース・オンデマンド Repro開発チームの折田陽子氏、代表取締役社長の菊池頼氏、プレス・チーフプロファイラーの門之園知子氏、コンテンツソリューション部の熊川充洋氏

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