NTTドコモは5月19日に2021年夏の新サービス・新商品発表会を開催。5Gスマートフォンなど新製品6機種を含む全11機種を披露したほか、eスポーツやライブ配信などの新たな取り組みを打ち出した。
発表会の冒頭、同社代表取締役社長の井伊基之氏は5Gの現状について説明。すでに5Gの契約数は400万を突破し「本格的な普及期に入った」(井伊氏)ことから、5G専用の周波数帯を使った高速通信が可能な「瞬速5G」の整備を積極的に進めていくとした。
同社では2021年3月末時点で574都市への5G基地局整備を達成しており、2022年3月までに基地局2万局を整備するという目標に向けて順調に推移しているそうだが、井伊氏はその先のスケジュールにも言及。2024年3月末には瞬速5Gの人口カバー率80%達成を目指すとともに、2021年度の第3四半期には、5Gの実力を発揮できるスタンドアロン運用への移行を進め、それを活用した新しいサービスを開始したいとしている。
そこで、さらなる5Gの活用に向けた今回の発表会のテーマとして、井伊氏は「5G for indibiduals」という言葉を掲げた。1人1人の個人と真摯に向き合い、5Gを活用して好きなものを存分に楽しんでもらうデバイスやサービスを提供するという狙いがあるようだ。
中でもサービスに関しては、大きく3つの取り組みが発表された。その1つは同社が展開しているeスポーツブランド「X-MOMENT」に関するもので、新たに「STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION」のプロリーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021」をカプコンと共同で開催することを発表した。
このリーグは2018年から開催されているものだが、ドコモとの共同開催となることで、参加チームが6チームから8チームへ増えるとともに、選手のサポート環境充実のため、新たにチームオーナー制が採用されるとのこと。また5Gを活用した施策として、5Gスマートフォンで撮影した選手の映像を伝送し、試合の映像と選手の表情を同時に見ながら観戦できる仕組みなども提供されるという。
2つ目はVRコンテンツで、ウォルト・ディズニー・ジャパンと共同で「WHAT IS LOVE? ディズニープリンセス展 VR」を実施すること。これは6月23日より開催される展示会「WHAT IS LOVE〜輝くヒミツは、プリンセスの世界に。〜」をVRコンテンツで開催するもの。複数の人が同じ空間の中で、アバターを通じて共通のVR体験をし、コミュニケーションやショッピングなどが楽しめることが特徴で、展示会会場に体験会場が設けられるほか、展示会終了後も東京や名古屋など全国の複数箇所でVRによる展示会が開催される予定。
そして3つ目はライブ配信に関する取り組みで、同社の映像配信サービス「dTV」に5月1日より有料でアーティストのライブ配信が楽しめる「ライブ」ジャンルを追加。これにより、ライブ配信前にミュージックビデオなどを見て“予習”をしてから本番のライブを楽しめるなど、ライブの楽しみ方が大きく広がると説明する。これにともない、従来ライブ配信を提供してきた同社の「新体感ライブ CONNECT」は8月に終了し、実質的な統合が図られることとなるようだ。
また、ライブ配信に関する取り組みとしてもう1つ、THECOOと業務提携し、同社が運営するライブ配信専用スタジオ「BLACKBOX3(ブラックボックス)」を活用した新事業を共同で企画・運営することも発表された。BLACKBOX3は、4面の大型LEDパネルを常設した迫力のあるオンラインライブを可能とする施設だが、今回の提携で2021年度中にスタジオの5Gエリア化を進めるほか、今後はdTVとTHECOOが運営する「Cassette」でライブ配信を実施するアーティストに対し、スタジオを無料で提供していくという。
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