アカデミックパートナーであり、メンターも務める辻調グループ代表で辻調理師専門学校校長の辻芳樹氏もビデオメッセージを寄せた。
「短期間でも変化の兆しがいくつか見えており、Bites!を通じて辻調グループの学生や卒業生とコラボしたいという問い合わせを米国のスタートアップからいただいている。スタートアップの動きの速さや発想の柔軟さを実感できる提案に、私自身非常にワクワクしている。私たちがフードテックの分野で寄与できるとすれば、おいしさを担保すること、つまりガストロノミーという概念とその価値をこの領域に持ち込むということだと考えている」(辻氏)
デベロッパーである東京建物もBites!に当初から参画している。東京建物 ビル事業企画部 沢俊和氏は「2年前に東京フードラボを開設し、1階にはBites!のスタートアップとして採択されているプランテックスが植物工場兼研究所として開設している。2階は本格的な厨房設備があるので、厨房設備を持たないスタートアップや、新たに既存ビジネスと食を掛け合わせた新規事業をやりたい方がR&Dのために使っていただいている」と語る。
「このフードラボを拠点にBites!のメンターである『Future Food』のサラ(Sara Robersi氏)と一緒に『Future Food Hub in Japan』としてグローバルな活動も展開している。同じ京橋エリアの中にはテストマーケティングや実証実験、ポップアップストアなど、社会への発信目的で利用できる『SUIBA』(KITCHEN STUDIO SUIBA)という施設もある。これらの施設を活用して皆様の活動を支援するとともに、Bites!の目的であった持続可能な社会の実現、また実現のための新食産業の創出などに取り組みたい」(沢氏)
Bites!には石川県加賀市、新潟県新潟市、兵庫県神戸市も自治体パートナーとして参画している。
加賀市の宮元陸市長は「加賀市から新しい食のイノベーションを起こしたいということで参加させていただいた」と語る。
「国が掲げているスーパーシティ構想の公募に手を挙げたところで、その柱は“加賀市版イーレジデンシー”、つまり電子加賀市民を国内外に作って加賀人口を拡大し、高度人材やベンチャー企業との交流を続けていこうというものだ。FoodTech Bites!の国内外のネットワークを加賀市でもぜひ生かしていきたい。加賀市は消滅可能性都市と言われるが、この取り組みを通じて“挑戦可能性都市”加賀市に向けて努力を続けていきたい」
神戸市 医療・新産業本部 新産業部 新産業課長の武田卓氏は「神戸市ではシリコンバレーの『500スタートアップ』と協業したスタートアップのアクセラレーションプログラム『500神戸アクセラレーター』など、スタートアップが海外に進出していける環境作りを神戸市の事業として取り組んでいる」と語る。
「元々はITスタートアップを支援してきたが、神戸には庶民的な食べ物から高級食材までの食文化もある。ITスタートアップだけでなく、さらに領域を広げてスタートアップ支援をしていきたい」(武田氏)
新潟市 経済部産業政策課の中島修一氏は「食関連産業の集積を生かして、フードテックをテーマにしたさまざまな取り組みをしている」と語る。
「2020年度は市内の食関連産業と中小企業、スタートアップとのマッチングイベントや、新事業創出のための連続オンラインセミナーを実施した。新潟市でも協業案件の実績が徐々に出始めており、今年度は新たに新事業創出を目指す協業アクセラレーション事業を行う。市内の食関連産業との協業による新事業創出を進めるため、専門家によるメンタリングやリモデルの実施などの新たな取り組みも予定している」(中島氏)
今回紹介されたのは採択されたスタートアップ85社のうちのほんの一部だ。今後さらに共創が進み、さまざまな成果が生み出されることを期待したい。
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