グーグルは4月9日、Google Playに関する最新の取り組みについて発表した。同日には、Google Playの概要を解説する日本語ページが公開されたほか、今夏実施されるインディーゲームフェスティバルで学生部門賞が新設されることなどが明らかとなった。
現在、Androidでは25億台を超える月間アクティブデバイスを展開し、20億以上の月間アクティブユーザーを抱える。2020年2月時点で、中国を除く世界のデベロッパーがGoogle Play上で得た収益は、800億ドルを超えている。
Google Play パートナーシップ バイスプレジデントであるパニマ コチカー(Purnima Kochikar)氏は、こうした背景をもとに、「大規模な市場において、すべてのユーザーを保護するのが我々の責任だ、利用者には安全性を、デベロッパーにも安全なエコシステムを提供したい」と話す。
信頼性と安全性に関しては、「How Google Play Works」というページを公開して情報発信をしていることや、「Google Play Protect」を提供し、マルウェアや不適切なコンテンツを検出する制度が大幅に向上したという。後者によって、昨年Google Play以外の提供元から19億件を超えるマルウェアがインストールされるのを未然に阻止したと説明する。
プライバシー保護については、デベロッパーポリシーをアップデートしたことで、アプリの主な用途として適切と判断される場合に限り、SMSメッセージ、連絡先リスト、デバイスの位置情報などを要求できるようになったことが強調された。さらに、審査プロセスを通過する必要があることや、妥当な権限であっても事前にユーザーに確認する必要もある。
こうしたポリシーのアップデートは、四半期に一度実施されており、メールでデベロッパーに通知される。必要な更新を行う猶予期間として30日を、大規模な場合には長めの期間が設けられる。また、2019年からは、開発者向けのポリシーに関するウェビナーを実施しており、日本国内開発者の要望に応え、2020年から日本語でも展開を開始。次回は4月16日16時から開催となる。
デベロッパー向けのトピックとしては、2021年7月1日より、Google Playにおけるアプリ内での販売収益の合計が100万ドル(毎年)に達するまでは、サービス手数料を15%に削減することも発表されている。実に99%の開発者が手数料半額の恩恵を受けるという。
また、開発者コンソール(Google Playコンソール)が一新され、各種統計情報を確認しやすく改良されたことや、プログラミング言語の「Kotlin」の導入によって、業務改善が図られた事例などが紹介された。先駆的にKotlinを導入した、SmartNewsでは、検証時間の10%短縮、コード行数の20%削減を実現している。
デベロッパーに対する学習機会提供の仕組みも整う。例えば、誰でも完全無料で受講できるセルフトレーニングコース「Google Play Academy」は、日本語でも提供。また、世界各地域にいるGoogle Play担当エキスパートが、各地域でビジネス展開にあたってのアドバイスをセミナー形式で提供する「Go Global」セミナーも実施されている。こちらは、コロナ禍に伴って2020年3月からオンライン化され、参加人数が増加したという。
日本から始まったユニークな取り組みとして、Google Playストアでの買い物でポイントが付与される「Google Play Points」の仕組みが紹介された。同取り組みは、2018年に日本でリリースされて以降、USを含む21の地域に拡大。今年の2月時点で国内加入者は1000万人以上に上る。
小規模なデベロッパーにも目を向けた取り組みもある。例えば、インディゲームを対象とした「Indie Games Festival」なるコンテストが、過去3年間に、日本、韓国、ヨーロッパ、アメリカを対象として開催されている。2021年夏にも、日本、韓国、ヨーロッパにおいて4度目の開催が予定されている。
同コンテストでは、外部審査員とGoogleがトップ20の入賞者を選定。入賞者は、セミナー勉強会やワークショップへの招待。海外展開コンサルテーションや、Playストアでのプロモーション、ビジネスコンサルテーション、技術支援、パートナー企業からの事業支援などといった手厚い支援が受けられる。なお、今年は完全オンラインで開催され、あらたに「学生部門賞」が新設されるという。
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