Microsoftのソフトウェアを試したほか、他のアプリもいくつか試してみた。腰を下ろしてウェブブラウザーを開き、ゲームを1つ2つプレイする(そう、ゲームはいくつかある)。なかなか感心したのは、ウィンドウがポップアップしてデスク上に、あるいは自分の好きな並びでフロート表示されたことだ。立ち上がっても、同じ位置に固定されていたし、それどころか翌日になってもそこにあった。
Qualcommが公開したARスマートメガネのリファレンスデザインは、スマートフォンやPCを接続してそのディスプレイになるように設計されている。HoloLens 2で今見ているものから、そうしたスマートメガネの未来と、その機能で最終的に何ができるようになるのかが、少し垣間見えたように感じられた。
HoloLens 2では、両手を使うことしかできない(だが、キーボードを組み合わせて使えるようになると予想する)。いずれは、スマートメガネをかけているときに、ノートPCから追加のウィンドウやモニターが宙に飛び出してくる、そんな使い方も見てみたい。
HoloLens 2は視野が限られているため、目の前に大きなウィンドウが浮いていて、そこに光る3Dのオブジェクトが表示されるように感じられる。だが、そのウィンドウも広さが足りないので、室内にあって自分が気づいていない物を視野に入れるには、頭を動かさなければならない。
ディスプレイ自体も、若干かすんだ虹のようなクオリティーだ。モニター、あるいは最近のVRヘッドセットに求める鮮明さが欠けている。映画鑑賞やゲームにARヘッドセットを使うのであれば、ディスプレイはもっと進化を期待したい。レンズが透明なので難しいかもしれないが、マイクロLED技術を利用すれば短期間で改善を望める可能性がある。
HoloLens 2は、業務向けのキラーアプリとして通信やテレプレゼンスを利用している。作業現場などで指示を目の前に表示するヘッドアップディスプレイとしても活躍するかもしれない。では、一般ユーザー向けに市販されるARメガネでキラーアプリになりそうなのは、何だろうか。フィットネスかゲームか。それともバーチャル映画鑑賞か。どこでも使える追加モニターか。
その答えは、まだ誰も持っていない。Nianticは、ARで間違いなく究極のキラーアプリとなった「Pokemon Go」の開発メーカーだが、そうした企業はHoloLens 2を使ってARメガネ上でゲームをプレイしたらどんな感じになるのかを模索しているところだ。Microsoftのヘッドセットは、どこでも使えるように設計されているわけではない。日中の明るいところは不得手だ。大きくてヘルメットのようでもあり、バッテリー持続時間も長くはない。それでも、ARメガネで次に求められるものを探る意味で、筆者がこれまで試してきた中では最高のプロトタイプといえるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス