Oculus Quest 2とHoloLens 2はどちらも、ハンドトラッキングに対応している。ただし、FacebookはそれをOculus Quest 2のコントローラーの代わりとして使っており、ハンドトラッキングは意外なほどスムーズに動く。一方、HoloLens 2にはもともとコントローラーがない。あらゆることを自分の手で操作する。これこそ、HoloLens 2の輝かしい点だ。だが、同時にぎこちなさを感じる点でもある。
仮想の物体、例えば仮想のボタンやキーボードなどに触るには、手を伸ばしてタップする。何かをつかむときは、端をつまむ。スタートメニューは、手首に視線を向け、そこに明るく表示されたボタンをタップすると開く。遠くにある物体を操作するには、手を開いて、ヒーローキャラクターのように手のひらからビームのような線を飛ばす。まるで、HoloLens 2のインターフェースを通じて超能力を手に入れたような気分だ。
筆者は「Roboraid」というゲームを1人でプレイしてみた。壁から敵が飛び出してくるゲームで、これの違うバージョンを何年も前にゲーム見本市「E3」のデモで試したことがあった。それを自宅で、自分の手を使いながらプレイできる。指を使ったピンチ、ポイント、タップは、HoloLens 2でたびたび求められる操作だ。腕を使うのは疲れることもあるので、シンプルなショートカットが欲しくなる。それに、やはりコントローラーがある方がいいかもしれない。ハンドトラッキングだと、振動などのフィードバックがないからだ。将来的には、リストバンドやリング、あるいはFacebookが計画しているようなニューラル入力などがここに対応するだろう。何らかのコントローラーがある方が、ジェスチャーが最小限で済むし、自分がしていることを実感しやすいかもしれない。
HoloLens 2はディスプレイが理想より狭いものの、その限られた範囲でも自分の部屋の中で3Dを描画でき、本棚から線を引いたり、実際にある物に注釈を書き加えたりできる。仮想のオブジェクトをリアルな物と並べてもみた。明るく描画された仮想の物体は、いったん中断しても、HoloLens 2に戻ればまだそこに残っている。
HoloLens 2は、アイトラッキングにも対応している。業務用を除く現在のVRヘッドセットにはない機能だ。地味な機能だが、あるオブジェクト、例えば部屋の反対側で開いているアプリウィンドウなどに目を向けてから「アプリを閉じて」と発声すれば、どれを閉じるか理解してもらえる。ARで人に話しかけるときには、筆者の仮想アバターの目が動くのを見られるようになるかもしれない。アイトラッキングは、人がどこを見ているか認識できるからだ。
Facebookの最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏も、それと同じ目的で、将来的にVRおよびARヘッドセットにアイトラッキングを搭載しようとしている。人の表情と目の動きを、リアルなアバターに対応させるのだ。一方Microsoftの技術は、ビジネス重視だけあって、アイトラッキングのデータ利用を特定の安全な場合に限定している。主流のヘッドセットとスマートメガネで、アイトラッキングのデータが今後どのように利用され共有されるのかは、まだ分からない。
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