Appleが2022年に複合現実(MR)ヘッドセットを発売し、以前からうわさされている拡張現実(AR)および仮想現実(VR)市場への進出を果たすとの見方を、Appleを専門とする著名アナリストMing-Chi Kuo氏が米国時間3月7日に投資家宛ての短信の中で示したと報じられた。
MacRumorsが入手した短信の中で、Kuo氏は次のように述べた。「われわれの予想では、AppleのMR/AR製品ロードマップには3つのフェーズがある。2022年までにヘルメット型、2025年までにメガネ型、2030~2040年までにコンタクトレンズ型だ。ヘルメット型の製品はARとVRの体験をもたらし、メガネ型とコンタクトレンズ型の製品はARの用途に重点を置くものになる可能性が高いとわれわれはみている」
Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は2017年、ARの大きな未来に向けて同社が準備していることを示唆し、AR技術はスマートフォンと同じくらい重要なものになる可能性があるとの考えを明らかにしていた。Appleは2019年の年次開発者会議「WWDC」で、AR作成ツールキット「Reality Composer」など複数のARツールを発表した。
Kuo氏は、ヘッドセットの試作品は現在のところ重量が200~300gだが、「Appleが大きな技術的問題を解決できれば」100~200gに軽量化できるとした上で、米国での小売価格は1000ドル(約10万8000円)ほどになるとの見方を示している。
これまでのうわさと同様、Kuo氏も、このヘッドセットはソニーのマイクロ有機ELディスプレイと複数の光学モジュールを採用し、「既存のVR製品よりはるかに優れた没入感のある体験」をもたらすことになると述べた。
ARについては、Kuo氏はARメガネの発売時期が2025年以降になると予想し、「まだ試作品がない」からだとしている。機能的には「光学シースルー方式のAR体験」をもたらすものになるという。
Kuo氏はまた、Appleが2030年代のいずれかの時点で、AR機能を備えたコンタクトレンズを発売すると予想し、この製品が「インビジブル(目につかない)コンピューティング」の時代への移行を促すものになるとの見方を示した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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