ウルトラアートレコードのモットーは「オーディオ的な切り口で作る」こと。加えて大事にしているのは一発録音によるグルーブ感と最高の機材を使うこと。2020年4月に発売した小川理子さんの「Balluchon」(高音質78回転アナログレコード)も、ウルトラアートレコードらしい1枚に仕上がっている。楽曲自体は2019年4月に発売したものだが、それを78回転の特別バージョンで収録。A面に「Oh lady be good」、B面に「Smile」を1曲ずつ収めた大変ぜいたくな1枚だ。
通常LP盤は33 1/3回転で演奏するが、このレコードでは、SP盤用の78回転を採用。通常のLPと同じ材質、溝幅だが、回転数を78と高速にすることで、再生周波数とダイナミックレンジが飛躍的に拡大する。実際に聞いてみると、通常のLP盤とは全く違って、実に生々しい。78回転では、シャトルロケットに乗ったような伸びやかさがある。
ただ、再生できるアナログプレーヤーはテクニクスの「SL-1200MK7」やデノン「P-400/DP-450USB」など数が少ない。聴ける環境は狭まるが、それでも音に徹底的にこだわるため、78回転を採用した。また、レコードのプレス自体も大変難しく、偏芯やソリにたいへん弱いので、作り直しも何回も行った。手間はかかったが、音は抜群にすばらしい。ぜひ多くの人に聴いてもらいたい。
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