Xperia 1 IIは、とにかくカメラ機能が充実している点がすばらしい。今までコンパクトカメラが担っていた撮影を、今はスマートフォンでこなす時代。その観点から考えると、Xperia 1 IIはソニーが持つデジタルイメージングの技術を結集させ、スマホ型デジタルカメラとしての機能を極めた。
「Xperia 1」の画質も素晴らしかったが、Xperia 1 IIは、より磨かれた印象だ。その画質はとてもナチュラル。これは、ソニーのデジタルカメラの画作りと同様で、階調の数を多くすることで、ナチュラルな色変化を実現している。なかでも肌の表現力がすばらしく、強い光があたっても白飛びせず、色のグラデーションを緻密に再現している。輪郭も必要以上に強調せず、そこも自然な仕上がりだ。
アプリ「Photography Pro」もとてもいい。シャッタースピードやISO感度、ホワイトバランスなど、マニュアルで設定できる項目も多く、デジタルカメラ「α」そのものの操作感を実現している。特に露出補正機能が、いい。露出アンダーのローキーへは左のマイナス方向、露出オーバーのハイキーへは右のプラス方向へドラッグさせる、スマホ的なUIが直感的で使いやすい。
Xperia 1 IIには、デジタルカメラの撮影技術以外にも、さまざまな音が混ざった音から、AIがひとつひとつの音の要素を取り出して処理する「音源分離」技術なども取り入れられており、ソニーが持つ最新技術を結集させている。
これは音楽プレーヤーであり、デジタルカメラであり、動画の録画再生機でもある。そう考えるとソニーのオーディオ、ビジュアル技術がこのスマホにすべて入っている。技術だけでなく、ソニーカメラやオーディオの開発に携わったキーパーソンがXperiaの開発をサポートするなど、人材の交流も盛ん。ソニーの良いところを一生懸命取り入れている点が大変おもしろい商品に仕上がっている要因だと思う。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」