培養肉の最初の顧客が、目新しいものにオープンで、実態のはっきりしない発明品にも好意的、そしてTeslaの車に乗っている自分を見せびらかすのが好きなタイプの人たちになるというのは、このような理由からだ。培養肉は皿に乗ったTeslaというわけだ。次のブームの予兆は、肉食を減らした人々に対してGallupが実施した調査に現れているかもしれない。調査によると、回答者が食事習慣を変えた理由のトップは自身の健康で、次いで環境問題、食品の安全性、動物愛護と続く。
全米科学アカデミー、全米技術アカデミー、全米医学アカデミーが2017年に発表した未来のバイオテクノロジー製品に関する論文では、培養肉を「大きく成長する可能性あり」と位置付けている。一方で、比較対象になるような存在がほとんどなく、さまざまな規制や受容の問題が立ちはだかる一方で、リスク評価のための確立された方法が存在するとしている。
培養肉は「次世代の目玉」とされた他のすべての技術と同じく、試練を潜り抜けなければならないだろう。つまり、世に受け入れられるまでの長い間、投資家やアーリーアダプターの評価を維持できるかという試練だ。エレクトロニクスの業界ではこの種の試練は数多く発生してきたが、家電と食物では状況は異なる。顧客の文化にかかわる問題で、本能的な反発にもあうだろう。そうした反発は常に合理的なものとは限らない。
「消費者が知りたがっているのは3つの事柄だ。つまり、おいしいのかという点、食べても安全かという点、手の届く価格かという点だ」とカリフォルニア大学デービス校のJamison-McClung氏は語る。「私としてはもっと巨視的に論じたい。世界の栄養と食の安全のニーズは非常に巨大なので、新しいものが成功する余地はあるだろう。必ず対立が起きるだろうが、この対立こそが培養肉の問題を面白くしている要素だ」
とはいえ、培養肉も他の多くの発明品と同じ道をたどることになるのかもしれない。
「このテクノロジー(培養肉)がテクノロジー一般にお定まりの展開をすることを妨げる要素は見当たらない」と投資家のBethencourt氏は語る。「より早く、より安く、より高品質にということだ」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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