AppleはFortniteの開発元であるEpic GamesのApple開発者向けアカウントを停止した。これにより、Fortnite以外のEpicのゲームもApp Storeから姿を消し、ダウンロードできなくなった。
Epicにとっては課金旺盛なiPhoneユーザーを取りこぼすことになり、iPhoneでFortniteを楽しんでいたユーザーは、新シーズンなどが楽しめなくなる。またAppleも、少なくなかったEpicの売上高から得られる手数料収入が止まることになった。
問題は、EpicがApp Store以外にユーザーへの課金方法を用意し、App Store経由よりも割り引いて提供したことに端を発している。これは、Spotifyも争ってきた、AppleによるApp Store支配と3割の手数料率が高止まりしている問題に対する是正が争点だ。
前回お伝えしたとおり、この問題を取り扱う裁判所は、AppleによるEpicのアカウント停止について「回復不能な存在を与えた」とは見なさなかった。しかしEpic Gamesが持つUnreal Engineの利用停止は、他社の開発者への影響が大きく「やりすぎ」と判断された。
ただし、EUだけでなく、ロシア、日本でも、App Storeの3割の手数料や、アプリ審査について、Appleが独占的な立場を利用しているとして調査が進んでいる。Appleは米国の裁判所の判断を背景に、引き続きApp Storeビジネスの正当性を主張するだろうが、なんらかの変化も見せ始める必要が出てきたかもしれない。
Appleは、9月1日、アプリのレビュープロセスの変更を実施した。アプリのバグ修正での公開遅延の防止や、ガイドライン違反に対する異議申し立ても可能となった。
アップル、Epicの開発者アカウント停止(8/31) アップルがアプリレビューのプロセスを一部変更(9/1) アップル、「iOS」アプリのエコシステムによる雇用創出をアピール(9/3) アップル、アプリのサブスクを無料か割引で提供する「オファーコード」を導入へ(9/4)Appleはプライバシーをテーマとした新CMを公開した。YouTubeでその映像を見ることができる。
映像では、公共の場で、ウェブサイトの閲覧履歴や、職場の同僚とのチャット内容、ショッピングサイトでの購買履歴、現在の心拍数などを人々が口に出して喋っている様子が描かれており、プライバシーが保護されていないと何が起きるのかを表現したものだ。
AppleはiOS 14・iPadOS 14、macOS Big Surで、ウェブブラウザのターゲティング広告のブロックなど、プライバシー機能を強化しており、Apple製品の強みとして顧客に売り込んできた。現在ベータテスト中の最新バージョンのSafariでは、7日間に何件のターゲティング広告をブロックしたかというレポートを表示する仕組みを備えており、人々のプライバシー意識を高め、またApple製品がこれに貢献していることを明示する試みだ。新バージョンでは同時に、ユーザーの許可なしに広告識別子を取得できない仕組みとなる。
しかしこのトラッキング防止機能の導入は、2021年初頭まで延期されることになった。ユーザーはほとんどすべてのウェブサイトで、広告識別子を許可するかどうかを尋ねられ、ウェブブラウザの体験が著しく損なわれることになるためだ。そのため、開発者が必要な変更を加える時間的猶予を与えることにしたという。
「共有すべきでないことがある」--アップル、iPhoneのプライバシー設計をアピール(9/4) アップル、ターゲティング広告を制限する「iOS」の変更を2021年に延期(9/4)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス