4月20日~4月26日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。米国の巨大テクノロジー企業は、おのおのの新型コロナウイルス対策を実施している。
たとえばAmazonは、自身の倉庫や配送網における感染拡大と戦いながらサービスを維持し、倉庫への納入を生活必需品にしぼってその需要の高まりに対応している。FacebookはZoomに対抗し、複数人でのビデオチャットを拡充する機能を追加した。
中でも注目しているのは、AppleとGoogleが手を取り合って、濃厚接触の追跡に乗り出したことだ。
Bluetoothを活用し、スマートフォン同士が一定時間、およそ10mの通信範囲にいた場合に、お互いに「鍵のコピー」を交換する。つまり街を出歩く中で、接触追跡アプリのインストールに協力したユーザーは、他のユーザーの鍵を集めていくことになる。
もしAさんが持ち主が検査を通じて新型コロナウイルスに感染していた場合、アプリを通じてそのことを報告する。すると、Aさんの鍵のコピーを持っている人たちに自宅待機や検査を受けるよう促す通知が飛ぶ仕組みだ。
この方法なら、ボランティアベースでの参加、匿名性を維持、セキュリティを担保しながら、不特定多数の濃厚接触者の追跡を行うことが可能となり、公衆衛生当局が手を焼いていた「感染者ルート」の追跡を自動化することができる。
もちろんこの方法で全ての接触者を追跡できるわけではない。しかし、ロックダウンやその解除といった計画立案の手助けを行うことができるだけでなく、ユーザー自身も感染者との濃厚接触を察知したり、その可能性をできるだけ低くなるよう行動する動機を与えることになる。
AppleとGoogleはアプリベースでの接触追跡機能を4月中に実現する考えだ。Appleはアプリを起動していない場合、Bluetooth通信ができない仕様となっていたが、Googleとの競合を行うため、その制限を緩和している。そして6月にはOSの機能として実装され、今回のようなパンデミック時にすぐに発動できるようにする。
アップル、新型コロナ対策の「フェイスシールド」の作り方を公開中(4/17) アップルとグーグルも取り組む新型コロナの「接触追跡」、効果や問題点は(4/23) アップルとグーグルの新型コロナ追跡プラットフォーム、4月中に公開か(4/24)Appleは4月24日にiPhone SE(第2世代)を発売し、Apple Store(オンライン)でのオーダーした人にはすでに届き始めている。
しかし総務省からの要請で、ドコモ、KDDI、ソフトバンクといった大手キャリアからのiPhone SEの発売は、5月11日のゴールデンウィーク明けに延期された。新規購入やMNPによる乗り換え、買い替えによる割引を活用したい場合、溜まっているポイント値引きを利用したい場合は、もう少し待つ必要がある。
iPhone SEは、4.7インチ液晶とTouch ID内蔵ホームボタンを用いた古いフォームファクターを持つミドルレンジに属するスマートフォンだ。しかしiPhone 11と同じA13 Bionicチップを搭載し、性能面で同価格帯の競合モデルを大きく引き離す。
サイズが小さいこと、価格が安いこと、マスク着用時にうまく動作しない顔認証ではなく指紋認証採用など、それらの特徴がある「iPhone」であることから、世界中で大ヒットする可能性がある。
このiPhone SEをベースとする4.7インチiPhone 8には、5.5インチに画面が拡大されたiPhone 8 Plusがラインアップされていた。iPhone SEにも大型の「iPhone SE Plus」が計画され、これは2021年下半期に登場するとみられている。
ドコモらiPhone SEの発売を5月11日に延期--総務省からコロナ感染拡大防止の要請で(4/19) 「iPhone 12」の発表は11月に?(4/20) うわさの「iPhone SE Plus」、発売は2021年下半期に延期か(4/22) 「iPhone SE」と「iPhone 11」、どっちを買えばいい?--デザインと中身を比較(4/23)Appleは現在MacにIntelチップを搭載しているが、2021年にも一部のMacのチップを自社設計するARM系のAシリーズに置き換える計画が報じられた。
モバイル向けの廉価モデルからその置き換えを開始するとみられており、採用されるのは2020年モデルのiPhoneにも採用される5nmプロセスで製造されるA14をベースとして、最大12コアを搭載するチップまで用意される見通しだ。
実際、399ドル(日本では4万4800円)で販売されるiPhone SEに採用された6コアのA13 Bionicチップは、シングルコアの性能で、MacBook Airのミドルレンジに搭載されるクアッドコアIntel Core i5よりも高く、マルチコアの性能もこのIntelチップと同等だ。
更に高速化が期待できるA14をベースとした12コアのプロセッサは、更に高いパフォーマンスを期待することができ、処理性能としてノートパソコンのパフォーマンスに期待が持てるのではないだろうか。
その一方でAシリーズのチップは、Mac ProやiMac Pro等に搭載されるIntelチップに性能が届かないことから、Intelチップのモデルも引き続き共存することになるとみられる。問題は、パフォーマンスを長時間維持する必要があるプロ向けアプリケーションの実行だ。こちらについては、2020年モデルのiPad Proに採用されたA12Z Bionicチップで対策を行っている。
Appleが脱Intelを狙うのは、ハードウェアやアーキテクチャの開発を左右するCPUの自社開発化による効率化、スケジュール管理、デバイスのデザインなどの最適化、そしてIntel採用で常に比較されているWindows PCとの競争とは別の軸での発展を位置づけることにつながるからだ。
アップル、独自チップ搭載の新型「Mac」を2021年に発売か(4/24)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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