続いて、TikTok Ads Japan,X Design Center,Creative Strategy Directorの廣谷亮氏が登壇し、TikTokの現状について述べた。
「(マクロミルの調査によると)TikTokは、他のSNSに比べて前向きで楽しい気持ちになれるSNSだとの評価がある」と廣谷氏は述べる。また、「新しいコンテンツに出会える」「発見があり興味が拡がる」「興味のないジャンルを好きになった」というポイントも他のSNSよりも高いという。「新たな発見があるため、興味のないジャンルや広告でもスキップされにくいという特徴がある。結果、エンゲージメントが拡大している。平均視聴時間が42分から44分へ。再生数は147%の上昇、いいね数は170%上昇している。TikTokには他にないポジティブな視聴環境がある」(廣谷氏)。
また、TikTokにはUGC(User Generated Content)が非常に強いという特徴がある。廣谷氏は「5G時代のmeme(ミーム)文化」を紹介した。memeとは、「ネット上でユーザーが真似とアレンジを重ねて楽しみながら拡がっていくコンテンツ」(廣谷氏)とのことで、TikTokに数多く投稿されている動画を見たことがある人なら想像がつくだろう。動きや音声のひとつのパターンがあり、それを真似して投稿する人、音声はそのままで動きを変える人、動きはそのままだが違うジャンルでチャレンジする人など、実に多様な動画が生まれていく。
廣谷氏は「UGCが左右する時代だ」と述べる。TikTokでは「ハッシュタグチャレンジ」というキャンペーンがよく展開される。これは、ひとつの型に対してあるハッシュタグがつけられ、ユーザーがmeme動画をアップしていくムーブメントだ。「公式動画が3つの動画を投稿すると、ほぼ300〜500万の再生になる。さらにインフルエンサーが4つの動画を投稿したとして、100〜300万の再生数になる。UGC動画が生まれると、動画数が1万近くになり、1000万〜1億回再生されることもある」と廣谷氏は例を挙げてUGCの強さを説明した。
「今までの広告は同一素材でテレビからなど、シングルタッチポイントしかなかった。その後、テレビにスマホやPCなども加わり、同一素材でマルチタッチポイントでのフリークエンシー(広告を目にする頻度)となった。現在は同一テーマで多数の語り手によるフリークエンシーが期待できる時代になっている」と廣谷氏は広告の“新たな潮流”として語った。
そして、11月にローンチしたULikeの広告プロダクトについて、TikTok Ads,JapanProduct Strategy and Operationの岩田幸也氏から説明があった。
20代女性に人気のUlikeでは、コスメスタンプ(メイク素材を顔のパーツに合わせてメイクアップ効果を加える)、2D前景(ポスター風のフレームスタンプに自分を当てはめる)といった広告がある。コスメスタンプでは、自分の顔に実際の化粧品を試してみて、その後店舗に購入しに行く導線づくりとなる。2D前景では、シェアによりブランド価値を高める効果が期待できる。また、Ulike起動時の全画面広告、エンゲージメントしたユーザーが広告主のウェブサイトに遷移できる「Super Focus」広告も提供している。
TikTok Adsは今後、ハッシュタグチャレンジを投稿したり、閲覧したりしたユーザーに対してインフィード広告によりリマーケティングを行うプロダクト、また、UGCを見たときにスタンプの内容をタップすると広告主のウェブサイトに飛ぶ機能、インフルエンサー動画を活用してそのまま広告として利用できる商品などを計画しているという。
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