Amazonの「Alexa」、Appleの「Siri」、「Googleアシスタント」は、どれも質問の理解や回答において向上している。それは、どのテック企業も自分たちの人工知能(AI)の改良に役立てるのに人間を使っていたおかげでもある。
音声がコンピューターインターフェースの次なるフロンティアになろうとしていることから、Loup Venturesなどの投資家アナリストはどの企業が音声入力に最適なインターフェースを持っているかを知りたがっている。
2018年12月、Loup VenturesはAlexa、Siri、Googleアシスタント、Microsoftの「Cortana」の中でどれが優れているかを調べるためにそれぞれに800問の質問をするテストを行った。
Googleアシスタントは87.9%の質問に正しく回答し、Siriは74.6%、Alexaは72.5%、Cortanaは63.4%の正答率だった。このテストの対象はスマートスピーカーで、スマートフォンではなかった。
ゆえにLoup Venturesは最近、同様の「IQ」テストを行ったが、今回はスマートフォンのデジタルアシスタント機能だけに焦点を当てた。今回のテストではCortanaは対象外となっている。MicrosoftはCortanaの戦略的な位置づけをシフトさせているためだ。最高経営責任者(CEO)のSatya Nadella氏は、1月にCortanaはAlexa、Googleアシスタント、Siriと競合しないと述べていた。
Cortanaを対象外とし、スマートフォンのデジタルアシスタントに焦点を絞っても、ランキングの順位に変動はなかった。
Googleアシスタントは92.9%の質問に正しく回答して首位を維持し、Siriは83.1%、Alexaは79.8%の質問に正しく回答した。
質問は、「一番近いコーヒー店はどこ?」などの大人がスマートフォンに尋ねようと考える可能性がある一般的なものだ。一連の質問は各デジタルアシスタントの能力や実用性を総合的にテストするよう設定されており、「Local」(地元)、「Commerce」(コマース)、「Navigation」(ナビゲーション)、「Information」(情報)、「Command」(命令)の5つのカテゴリーに分類される。
スマートフォンのIQテストのランキングはスマートスピーカーのランキングと同じだったが、Loup VenturesのアナリストのGene Munster氏とWill Thompson氏はAlexaの全体的な性能については寛容な見方をしている。AlexaはCommandのカテゴリーで最下位だったが、Alexaはアプリであり、デバイスとOSに完全に統合されているわけではないことが影響したようだ。同カテゴリーではSiriが首位だった。
「Googleアシスタントは5つのうち4つのカテゴリーで首位だったが、Commandのカテゴリーでは前回に続いてSiriを下回った。Siriは依然として通話、テキストメッセージ、電子メール、カレンダー、音楽などのスマートフォン関連の機能においてより有用であることが明らかになっている」とLoup Venturesは述べている。
「スマートフォンのOSに組み込まれているSiriとGoogleアシスタントは、CommandのセクションでAlexaを大きく上回った。Alexaはサードパーティーのアプリで実行され、音声メッセージの送信や他のAlexaデバイスへの電話はできるが、テキストメッセージや電子メールの送信、電話の発信はできない」(Loup Ventures)
Loup Venturesは、スマートフォンのデジタルアシスタントはスマートスピーカーとは異なる扱いになるべきだと主張している。両者は用途もインターフェースも異なるためだ。例えば、スマートスピーカーには画面がないといった違いがある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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