Appleは、音声アシスタント「Siri」のユーザーによる質問の録音を請負業者に送信するプログラムを停止した。プログラムの目的は、Siriがユーザーの質問を正しく解釈しているかどうかや、誤って起動されていないかどうかを調べることだった。
この措置は、The Guardianによる内部告発者へのインタビューに基づく報道を受けたものだ。この内部告発者は、Appleの複数の請負業者が、きわめて機密性の高い情報を含むSiriの録音を定期的に聞いていることを明らかにした。
Appleは、Siriがユーザーの質問を正しく解釈しているかどうかや、誤って起動されていないかどうかを段階評価する、いわゆる「グレーディング」プログラムを実施している。音声の断片はユーザーIDに紐づけられていない。
AppleはTechCrunchの取材に対し、次のようなコメントを出した。「われわれは徹底的な見直しを行う間、世界全体でSiriのグレーディングを停止する。さらに、今後のソフトウェアアップデートの一環として、ユーザーはグレーディングに参加するかどうかを選択できるようになる」
Appleは、個人情報を広告主に販売していないとするプライバシーポリシーを強調している。プライバシーポリシーでは確かに、Siriの改善のために録音が行われるとしているが、確認のために録音が誰かに送信されるとは書かれていない。
Appleのプログラム停止に関するニュースの前には、ベルギー発の報道で、スマートスピーカー「Google Home」および「Android」スマートフォンに搭載された「Googleアシスタント」で録音された音声ファイルを、Googleの従業員らが「組織的に聞いている」と伝えられた。
ハンブルグのデータ保護当局は1日、Googleとその請負業者が同日から少なくとも3カ月間、Googleアシスタントから取得した音声の評価を欧州連合(EU)全域で停止すると発表した。
ハンブルグのデータ保護当局のJohannes Caspar氏は、GoogleアシスタントがEUの一般データ保護規則(GDPR)を順守していたかどうかについて、「大きな疑念」を抱いていると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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