6月17日~6月23日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
Tim Cook CEOをはじめとするApple幹部は米中貿易について楽観的な見方を崩していない。しかし事態ははかなり切迫したところまで来ている。
トランプ政権は、対中貿易にかかる関税を、中国の考えを変えさせるためのカードとして行使してきた。そしていよいよ、全品目に対する関税が発動するところまで迫ってきている。
Appleは製品やアクセサリのほとんどを中国で組み立てている。2013年に発表されこれまで販売されてきたMac Proは米国で製造されていることを誇らしげにアピールしてきたが、2019年秋に発売される最新型Mac Proには、Made In USAのタグが取り去られてしまった。
これまでスマートフォンを中心とした生活に密接に関わる製品への関税を回避してきたが、全品目例外なしとなると、いよいよiPhoneやMacをはじめとする製品の米国内での価格は関税の分、たとえば20%上昇することになる。
1000ドルで売られていたiPhone XS 64GBモデルは、画面サイズも保存容量はそのままで1200ドルになるのだ。一方、韓国など製造されているGALAXYシリーズの価格はそのまま据え置かれることになる。
トランプ大統領からすれば、2016年からiPhoneを米国で作らせると公言しており、すでに3年間対策を講じる時間があったはずだが、冒頭に触れた楽観視によって、これまでの生産体制の維持に努めてきた。
Appleも中国での製造を無碍にして雇用を毀損すれば、せっかく他の先進国と違って補助金施策もなしにiPhoneを大ヒットさせた中国市場の売上高がどうなるかわからない。
そんな事情がありながら、最近Appleは製造を担当する企業に対して、中国外への移管を模索し始めていると報じられた。移転先は台湾などの東南アジアやインドになりそうで、トランプ大統領が選挙中発言してきた「iPhoneを米国で作らせる」というゴールにはほど遠いが、少なくとも中国以外でのiPhoneを米国向けに輸出することでなんとか切り抜けようというAppleの思惑も見え隠れする。
そして、もしそれをやるなら、Tim Cook氏が主導して手がけるのが適任だ。中国での組み立てを中心とした現在のAppleのサプライチェーン構築に尽力してきた人物その人だからだ。
アップル、対中追加関税で「競争力損なう」--米通商代表部に書簡(6/21)米国は卒業シーズンで、学内外から毎年注目を集めるのが、スタンフォード大学のテクノロジー企業トップによるスピーチだ。かつてスティーブ・ジョブズ氏も祝辞を述べ、「ハングリーであれ。愚か者であれ」の明言を残したことでも知られている。
2019年のスタンフォード大学卒業式のスピーチには、AppleのTim Cook CEOが立った。
シリコンバレーのルーツは歴史的に見ても、スタンフォード大学が中心にあることに触れながら、プライバシー問題などを引き起こしている現状を批判した。
「こんなことを言わなければならないとは少し馬鹿らしく感じるが、混乱を作ったならばその混乱の責任から逃れられない。責任を取るということは、物事を徹底的に考え抜く勇気を持つということだ」(Cook氏)
また表現の自由を抑制することにつながるとして、デジタルプライバシーが重要であることを改めて強調した。
アップルのクックCEO、スタンフォード大卒業式でスピーチ--シリコンバレーの課題など語る(6/18)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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