5月13日~5月19日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
Appleで小売担当の幹部役員だったアンジェラ・アーレンツ氏は4月にAppleを去ったが、次の職場はAppleからあるクパティーノから北へ50分ほどクルマで移動した先にあるサンフランシスコの「AirBnB」であることが分かった。
アーレンツ氏は2014年にAppleに参画したが、それまでのキャリアはファッション畑で、前職はバーバリーのCEOだった。Appleに移ってすぐにApple Watchの立ち上げがあったが、アーレンツ氏は腕時計を販売するにふさわしい形へのApple Storeのリブランディングに取り組んできたという。
Apple Storeはアーレンツ氏の元、サンフランシスコにあるApple Union Squareを皮切りに、「タウンスクエア」型といわれる新しい形態での進化を進めていった。これまでのテクノロジー機器の販売とサポートの場から、テクノロジーがあるライフスタイルのハブになろうというアイディアだ。新規オープンの店舗はこのデザインに沿っており、既存店も改装を通じてできる限りタウンスクエア型へと進化させている。
具体的には、巨大なLEDスクリーンを備え各種イベントやセミナーが無料で開かれる「フォーラム」、季節ごとに製品やアクセサリのコーディネートや活用を提案する販売スペース「アベニュー」、これまでのバーカウンター型からよりモバイルデバイスのサポートを自然に行いやすいスタイルへと変化させた「ジーニアスグローブ」、法人や開発者とのミーティングが行える「ボードルーム」が用意され、店の外でもWi-Fiや電源が自由に利用できる「プラザ」といった機能を備える。
アーレンツ氏が取り組んだ変革はファシリティに留まらない。フォーラムでは毎日のように、MacやiPhone、iPadを活用したクリエイティブやプログラミング、ビジネス活用のワークショップ「Today at Apple」が開催され、夜は地域で活躍するアーティストやアントレプレナーを招いた特別なセッションを開催している。
こうして、製品の購入移行の人々の深い活用をサポートする体験を、Apple Storeの機能を拡張してきた。
そのアーレンツ氏の次の職場はAirBnBだという。同社はホテルに変わる旅行の際の宿泊オプションをシェアエコノミーで開拓した企業として知られており、役員のダイバーシティ向上の観点から、女性役員を登用することを目指してきた。もともと旅の体験を刷新する取り組みを行ってきており、アーレンツ氏の「クオリティが高い体験をテクノロジーから作る」Appleでの経験が生かされていくだろう。
アップル、カーネギー図書館を改装した新店舗をワシントンDCでオープン(5/13) アップル元幹部のアンジェラ・アーレンツ氏、Airbnbの取締役に就任(5/17)米国最高裁判所は、消費者によって「App Storeが反トラスト法に反する」として訴えていた集団訴訟が審理可能であるとし、裁判の継続を認める決定を下した。これによってAppleがすぐに不利な立場になるわけではないが、iPhone不振で成長の軸足をサービス部門に移そうと取り組んできたAppleにとって、App Storeはその成長の最大の原動力だっただけに、先行き不透明感が増す結果となった。
この訴訟で原告は、Appleが支配的な立場を利用し、30%という手数料率によって、アプリ価格を不当につり上げているとして、消費者の不利益を作り出していると主張している。Appleは商品やサービスを間接的に購入する人々が企業を訴えることはできないという判例を根拠に、この訴訟の棄却を求めていた。
今後Appleは裁判でも、Appleに価格決定権がないこと、また同様にApp Storeのビジネスモデルを批判し、EU委員会に訴えたSpotifyと同様の主張を展開する事になるだろう。無料アプリ内での開発者の収益からAppleが手数料を徴収していないことも、主張に含まれると考えられる。
米最高裁、「App Store」をめぐるアップル独禁訴訟の継続を認める(5/14)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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