一つ目が「8K+5G Ecosystem」での事例である。5月9日に中国の広東省広州市で開催された「2019世界スーパーハイビジョン(4K/8K)映像産業大会」において、シャープブースでは、「8K+5G」の最先端技術を展示。戴会長兼社長が基調講演に登壇して、「技術のシャープ」や「8K+5Gのシャープ」を広く訴求したことを紹介。さらに、翌日に開催した8K+5G戦略および新製品発表会では、約300人のメディア関係者が参加したことを報告した。
5月9日には、香港を拠点とする中国語圏向け民間衛星テレビ局「鳳凰衛視社(Phoenix Media)」の会長兼CEOである劉長楽氏が、東京・芝浦のシャープ東京ビルを訪問。放送分野を中心とした今後の協力関係構築について合意したという。
また、シャープ東京ビル内に、「8K Creative Studio」の設置を進めていることに言及。「ここは、他社との協業を加速する拠点になる。5月22日から3日間に渡り、一部のお客様を対象にプレオープンした。工業やセキュリティ、教育、エンターテイメントなど、さまざまな分野における具体的な議論をしており、今後、スタジオの内容を充実させて、6月中には本格的に稼働する」とした。
2つ目が「スマートホーム」の事例である。5月20日にシャープ東京ビルで記者会見を開催し、新たなスマートホームサービス「COCORO HOME」を発表。「COCORO HOMEは、シャープのAIoT機器やCOCORO+サービス同士だけでなく、AIoTプラットフォームにつながる他社の機器やサービスとも連携するアプリケーションになる。2019年秋から、COCORO HOMEを活用して、セコムやKDDI、オムロンヘルスケア、tsumugとともに、見守りサービスをはじめとした新たなサービスの開始を予定している。この取り組みは、経済産業省の補助金事業にも選定されている。今後もこうした協業を一層加速し、2020年度中には連携する企業数を50社にまで拡大する」とした。
3つ目が、「ICT」である。ここでは、Dynabookについて紹介。5月29日から3日間に渡って、台湾の台北で展示会を開催し、Dynabookとシャープ、鴻海グループの技術を融合したモバイルノートPC「dynabook G」や、画像認識技術を活用した製造ラインの「作業分析ソリューション」、モバイルエッジコンピューティングを活用した工場や作業現場における「遠隔支援システム」のほか、会議ソリューションや教育ソリューションなどを展示したという。
また、展示会初日に開催した記者会見では、台湾におけるdynabookブランドの展開や、新たな開発拠点である「Dynabook Technology(Taiwan)」の設立についても発表した。
戴会長兼社長は「私は、Dynabookに対して、単なるモバイルノートPCの分野に留まらず、シャープや鴻海グループとの連携をより強め、IT技術を活用したさまざまなソリューション分野へと事業領域を拡大することにより、さらなる成長を果たしてほしいと考えている。そして、将来的には東証一部への上場を目指したい」と述べた。
また、戴会長兼社長は「成長力を強化し、事業拡大のスピードを加速していくためには、自らの事業を変革するという意識を高く持ち、スピードを上げて実行していくことが極めて重要である。ICTグループを新設したのは、3つのグループが密接に連携しつつ、他社のリソースも効果的に活用することで、各グループの事業拡大の実現と、オールシャープの事業変革を成し遂げ、さらなる成長につなげる狙いがある。とくに、B2C市場はもとより、B2BおよびB2G市場には、シャープのビジネスチャンスが数多くある。商品事業におけるB2B/B2Gの割合は約35%だが、これを近い将来には、50%程度にまで引き上げたい」との考えを示した。
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