Appleはプレス向けに招待状を発送し、3月25日にカリフォルニア州クパティーノにある本社Apple Park内のSteve Jobs Theaterでスペシャルイベントを開催することを告知した。
招待状にはアニメーションGIFで映画フィルムの始まりのカウントダウンが描かれ、「It’s Show Time.」というタイトルとAppleロゴが現れる。このことから、これまで噂されているエンターテインメント関連のサービスが主題になると考えられる。
Appleはこれまで、Apple Music内でCarpool KaraokeやPlanet of the Appsなどのオリジナル番組の制作を手がけており、日本のApple Music向けにも番組も配信されてきた。Appleは既に多数のプロデューサーや制作スタジオと契約したり、スヌーピーなどの人気コンテンツのライセンスを取得したりするなど、着々と映像サービスの準備を進めている。
Appleは2020年までの4年間で、サービス部門の売り上げを4倍に増やす計画で、映像ストリーミングサービスはその達成に重要な役割を果たすと考えられている。まずは米国市場をはじめとする英語圏からとなるが、素早く国際展開をしていかなければならないだろう。
Netflixは、有料ながら、日本の断捨離で著名となった近藤麻理恵氏の番組が制作され、英語圏で一大ブームとなるなど、既に大きな影響力を発揮している。Appleの映像サービスは後発となるが、こうしたブームが作れるようになるまでには、時間がかかりそうだ。
アップル、3月25日にイベント開催へ--招待状には「It's show time」(3/25)Spotifyは欧州の規制委員会に対して、AppleがApp Storeで競合企業に不利な条件を課し、イノベーションと競争を抑制しているとして苦情を申し立て、その旨をCEOのDaniel Ek氏が投稿で述べた。
Appleはことあるごとに、不当な優位性を得るための措置を執り続けている、と主張しており、欧州委員会は標準的な手続きに従って審査することになる。
Spotifyは、2016年にApple Musicが立ち上がったことで、Appleへの不満を高めてきた。音楽ストリーミングサービスで直接的な競合企業となり、その上でApp Storeの手数料30%を化している点を批判してきた。
しかしこれに対しAppleも反論のステートメントを公開した。
Spotifyの主張に対して - Apple (日本)App Storeがモバイルアプリの創造力と雇用、イノベーションを支えてきたこと。Spotifyの成長もそれによって支えられてきたこと。そしてSpotifyの大部分の無料ユーザーについて、Appleへの支払いを強要されていない点を指摘している。
その上で、Appleはアプリプラットホームとして、Spotifyとユーザーを結びつける役割を果たしており、Spotifyの主張は安全な課金プラットホーム構築の使用料をゼロにしろ、と求めていると反論した。
SpotifyのApple Musicに対する脅威はAppleがApp Storeを持っていることや、課金プラットホームの手数料、そもそもApp Storeに敷かれていたルールが問題ではない。Appleが音楽サービスをやっていることが脅威だと捉えて良いだろう。
この後の審議によっては、Appleが欧州委員会から是正と制裁金を課される可能性もある。
Microsoft、Googleの事例を考える点、Spotifyがもともと欧州の企業であり、Appleが米国企業である点を考えれば、制裁の可能性はより高く見積もるべきかもしれない。そうしたバイアスを前提にしながら、今後の経緯を見守っていくことになる。
アップルは「App Store」で競合他社を不利に--Spotify、欧州委に苦情申し立て(3/14) 「Apple Music」が「Amazon Fire TV」で利用可能に--米国でサービス開始(3/14)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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