Appleがアピールする雇用とプライバシー--Appleニュース一気読み

 3月4日~3月10日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

 Appleに聞くと、「GAFA」──グーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)という巨大プラットフォーマーでのくくりを嫌っており、他の企業と一線を画す取り組みを多方面で行っていると訴える。近年最も力を入れているのが、世界での雇用とプライバシー対策だ。

 そうした中で、Appleは日本における雇用レポートを3月8日に発表した。これによると、日本では80万人の雇用を支援してきたという。Appleによる直接雇用は4000人で、日本に8つあるApple Storeのパートタイム雇用に対しても福利厚生を提供しているという。また1441人の体制でApple Careのサポートが運営されているそうだ。社員数は2010年に比べ4倍になった。

日本で創出された雇用の内訳
日本で創出された雇用の内訳

 また日本はAppleが製品を開発する上でも重要な拠点となっており、905のサプライヤーを通じて22万人の雇用に貢献したとアピールする。製造業で14万4000人、卸売りおよび小売で2万4000人、科学・技術サービスで1万8000人だ。ユニークなのは広島で90年以上にわたり天然木の家具を作っているマルニ木工。Apple ParkのカフェテリアやApple Japanのオフィスなどで同社のアームチェアが採用され、その数は数千脚にも上る。

 そしてアプリ市場では、57万6000人がアプリ開発に携わっており、2008年以降、240億ドルの収益を上げている。中でも象徴的なのが物書堂だ。2008年から辞書アプリを開発する知名度の高い会社だが、メンバーはたった4人。1本数千円にもなる辞書アプリを50本以上リリースし、ダウンロード数も100万件を超えている。年間売上高も約2億5000万円〜3億5000万円以上で推移している。完全に新しい働き方と効率性を実現している例と言える。

アップル、日本で80万人の雇用創出--ウェブサイトで明らかに(3/8)

プライバシーへの取り組みを強化する

 Appleは雇用とともに、プライバシーでもGAFAとは違う、と主張している。Appleは2018年のFacebookユーザーの情報が流用されたことが発覚したCambridge Analyticaの事件以降、ユーザーデータを収益に変えるビジネスはしない、というアピールを行っている。そうした宣言もあって、Apple製品に関するプライバシー事案には、非常に神経を尖らせている。

 例えば2月は、GoogleとFacebookがそれぞれ、アプリの企業内向け配布の仕組みを用いて、iPhoneのユーザーデータを収集することができるアプリを、社外の人に報酬付きでダウンロードさせていたとして、Appleは2社に対して、企業内配布用の証明書を差し止めた。Appleによると、Googleからはアクティブに釈明があったそうだが、Facebookからはなかったという。

 またクラウドにデータを収集して大規模に機械学習処理を行うのではなく、極力端末から個人データを取り出さずに処理できるようにする思想が、ジョブズ時代に発売された2009年のiPhone 3GSから組み込まれており、ハードウェア、ソフトウェアの設計に影響している。現在社内では、プライバシー問題について、法務チームとエンジニアチームが連携し、その他の部署とのコミュニケーションを活発化している。

 そうした取り組みをみてみると、Appleが「Privacy Is Important」というドメイン名を購入したことや、2019年1月にCES 2019が開催されたラスベガスで、「あなたのiPhoneで起こることは、あなたのiPhoneに留まる」という広告を出したことも理解できる。

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