CCCマーケティングが2018年1月にスタートした「カッテミル」は、リアル店舗の買い物履歴がひと目で確認できるサービスだ。購入時にTカードを提示することで、購入品、購入日などが記録され、購入回数も記録。1年間の買い物履歴を振り返れる。
「ネットショッピングの普及で購入履歴が見られるのは当たり前になった。しかし、買い物の頻度はコンビニやスーパー、ドラッグストアなど、リアル店舗のほうが高い。レシートなどのアナログな履歴だけでなく、デジタルで保管できるサービスとして立ち上げた」とCCCマーケティング スマートフォン企画部Mission Unit Producerの若井美穂氏は立ち上げの経緯を話す。
Tカードの利用履歴は、ポイント付与ごとに、購入日時、店舗、商品、金額などが記録されており、マーケティングやユーザーへのレコメンドなどに役立てられている。しかし、あくまで“裏側の仕組み”であった。
カッテミルでは、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどの対象店で購入した履歴を開示。Tカード所有者がTサイトから登録するだけで利用でき、マイページでの購入履歴は本人のみが見られる。
Tカードから得た購入履歴を元に、カッテミルサイトでは週間ランキングを発表。食品、日用品を中心に、食品であれば「醤油」「カレールー」など、細かく分類した売れ筋商品を掲示する。クチコミが投稿できるほか、レーティング機能も備える。
「通常のクチコミサイトに比べ、購入履歴からレビューができるため、実際に使った(食べた)人の声を集められるのが特徴。自分の履歴を元に書き込めるため、レビューやレーティングへのアクションにもつながりやすい」(若井氏)と、差別化ポイントを挙げる。
書き込んだクチコミは「みんなのクチコミ一覧」として商品ページにまとめられ、会員登録していなくても見ることが可能。購入回数を示す「今まで買った数」も表示するため、1年間に同じ商品を何回買ったかがわかる。クチコミ一覧では、日時のほか、評価点数、購入点数順に並び替えられるため、「よく買っている人」のクチコミも探せる。
商品によっては、原材料から商品を検索できるほか、商品名、メーカー名、バーコードなどからも探し出せる。クリップ機能を使えば「ほしいものリスト」としても使用可能だ。「商品と出会い、覚えてもらうために使ってもらいたい」とCCCマーケティングスマートフォンサービス企画Mission Unit Mission Unit Leaderの鶴見聡史氏は、カッテミルの活用方法を話す。
このほか、新商品情報などを載せた「カッテミルニュース」や人工知能が購入データを分析、意外な商品との出会いを見つける「AI×カッテミル」などのコンテンツも用意。大規模な会員登録キャンペーンなどはせず、スモールスタートとしたものの、約1年をかけて徐々に認知を広げてきた。
「Tポイントが付与される場所であれば、購入データは取れるので、地域の特産物などもわかる。そのためほかの地域には流通しない食品などの購入履歴をとることも可能。実際にその地に訪れたスタッフが商品を確認して、登録するなど地道な作業も進めている」(若井氏)と登録データも着実に積み上げる。
1月15日には、新機能として投稿されたクチコミにコメントを返信したり、ユーザー同士でフォローができるユーザーコミュニケーション機能を追加。今までは“見るだけ”だったユーザー同士の関係性をさらに一歩進める。
UIも話題のクチコミや投稿されたクチコミをタイムラインで表示するデザインへと刷新。1月31日までは、キャンペーンサイトからくじを引き、同日中に新規にクチコミを1件投稿すると抽選でTポイントが2~1万ポイント当たる、「クチコミキャンペーン『毎日引ける!カッテミルくじ』」も実施する。
「クチコミ履歴をみやすくしたほか、自分と似ている嗜好を持つユーザーがどんな商品を購入しているのか追えるようにすることで、ユーザー同士が出会い、そこから新商品とも出会ってほしい」(若井氏)と、さらなるテコ入れをした。
現在、Tポイントが付与されるすべての店舗と提携しているわけではないが、今後さらに提携店舗を増やしていく予定。リアル店舗でも買い物も購入履歴としてデータで見られる時代に突入している。
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