Uberが、新規株式公開(IPO)に向けた書類を非公開で提出したという。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間12月7日、「事情に詳しい関係者ら」の話として報じた。Lyftも6日、IPO登録申請書のドラフトを米証券取引委員会(SEC)に提出したことを明らかにしていた。
UberとLyftの上場に向けた競争が始まる。Uberの最高経営責任者(CEO)であるDara Khosrowshahi氏は以前、2019年下半期の上場を目指すと公に語っていたが、時期については柔軟に考えているのかもしれない。書類提出に伴い、LyftもUberも2019年1~3月のIPOを目指すことになりそうだ。
Uberは10月、複数の金融機関から、IPOにおける同社の企業価値を最大で1200億ドル(約13兆5000億円)と評価する提案を受け取ったと報じられていた。
Lyftは公開株数、価格帯については未定だとしている。Lyftの声明によると、IPOはSECが計画を審査した後に始まる見込みだ。
UberとLyftは、いずれもスマートフォンアプリによる配車サービスを提供しているが、潜在投資家に対し、それぞれの事業の異なる側面を強調すると予想される。Uberは、フードデリバリーや空飛ぶタクシーなどの多様なサービスを展開するグローバル企業としてアピールするとみられる。Lyftは、Uberよりも小規模で、米国とカナダのみでサービスを展開しているが、Uberのような騒動とは無縁の安定した企業であることを前面に押し出す可能性がある。
Khosrowshahi氏は、2017年8月にUberのCEOに就任した。Uberは当時、前CEOで共同創業者のTravis Kalanick氏の下で数カ月の間に数々のスキャンダルに見舞われていた。2017年初頭には、「#DeleteUber(Uberアプリを削除しよう)」というソーシャルメディアキャンペーンが展開された。さらに、Uberの元エンジニアであるSusan Fowler氏が、セクハラを容認する同社の無秩序な企業文化の詳細を暴露するブログ記事を公開した。複数の訴訟が起き、Kalanick氏が辞任に追い込まれた後、同社は2カ月間、CEO不在の状態が続いた。
Khosrowshahi氏は就任後、2019年の上場を目指すことを明らかにし、Uberの改革に着手した。
Khosrowshahi氏は、ダイバーシティとインクルージョンに取り組む新しい役職を設けるなど、Uberの悪質な企業文化を刷新した。また、ソフトバンクによる出資の受け入れや、自動運転技術めぐるWaymoとの訴訟の和解などを実現した。
しかし、その道のりは必ずしも順風満帆ではなかった。Uberの自動運転車が、自動運転モードでの走行時に初の死亡事故を起こした。
それでもKhosrowshahi氏は、投資家が過去の事故よりもUberの可能性に注目することに期待し、楽観視しているようだ。
同氏は10月に開催されたVanity FairのNew Establishment Summitで「人々は毎日移動し、食事を1日に3度とる」とし、企業として非常にチャンスが大きいと述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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