Googleが10月上旬に発表した新型スマートフォン「Pixel 3」について筆者が気に入ったことはたくさんあるが、最も強い印象を受けたのは、1つの背面カメラだけで、暗所でも鮮やかで輪郭のはっきりした写真を撮影できることだ。Pixelの競合機種となる「iPhone XS」や「Galaxy Note9」は、そうした撮影画質を実現するために、2つのカメラを使っている。
Pixelのもう1つの大きな魅力は、Googleのソフトウェアと、それが組み込まれた全体的なエコシステムだ。Googleはユーザーが「Googleアシスタント」を使用し、さらにGoogleアシスタントを「Gmail」や「Googleカレンダー」といったほかのGoogleサービスと連携させることを望んでいる。この機能は往々にして役に立つ。ユーザーの代わりに電話に応答するGoogleアシスタントの新機能は特にそうだ。通知やヒント、プロンプトが頻繁に表示されるのはうっとうしく感じられるが、幸い、これらの機能は無効にすることができる。
「Pixel 2」のカメラが優れていたとしたら、Pixel 3は並外れて優秀だ。Pixel 3は暗所で素晴らしい写真を撮影して、安定した画質の動画を撮影するだけでなく、しっかりとしたポートレート写真も撮影する。しかも、ポートレート写真の撮影に2つのカメラを使用するほかのスマートフォンと異なり、Pixel 3は1つの背面レンズだけでそれをやってのける。広いダイナミックレンジはさまざまな照明や露光を特にうまく対処し、現実よりも見栄えのよい画像を作り出すこともある。
新しいカメラソフトウェアでは、写真の画質を向上することも目指している。「トップショット」(「モーションフォト」写真撮影時に機能する)は一連の写真の中から笑顔や開いた目を探して、ベストショットを提案する。デジタルズームを改善するために、Pixelはいくつかの写真を組み合わせて、超高精細のズームイン写真を生成する。Googleはカメラの暗所撮影性能を「Night Sight」機能によって強化したが、この特定の機能はまだ実装されておらず、2018年中に登場する予定だ。
Pixel 3は概ね素晴らしい写真を撮影し、きめ細かく鮮明な画像を記録する。色合いはiPhone XSで撮影した写真より多少強い感じがするが、現実離れした印象や仰々しい印象を与えるほどではない。Pixelはホワイトバランスもうまく処理し、肌の色合いは「Galaxy S9」やGalaxy Note9より実物に近いこともあった。暗い影のディテールも「Galaxy」スマートフォンより優れていた。
Pixel 3のカメラはポートレート写真も撮影も巧みにこなす。レンダリングに数秒かかるが、前景と背景を分け隔てる部分は滑らかすぎることもなく、自然に見える。犬の写真を撮影したとき、ほつれ毛が1~2本不自然に見えることに気づいたが、その傾向は最小限に抑えられていた。iPhone XSやほかの「Android」スマートフォンと同様、Pixel 3も撮影後にこれらのポートレート写真のボケやピントをユーザーが調節できる。編集プロセスは正確で使いやすい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」