「Google Earth」で地球探検の旅に出かけよう--小学生親子向けに体験講座 - (page 2)

 松岡氏はこの機能を使って、都市開発が進むにつれ近隣の湖が縮小している様子、ダム開発の影響で森林伐採が進んでいる状況などがわかるタイムラプス映像を流し、「持続可能な世界」という目標の妨げとなる深刻な状況が、世界の各地でまさに進行中であることを訴えた。

広く雲に覆われたイギリスの上空だが……
広く雲に覆われたイギリスの上空だが……
Google Earth Engineでは他のパターンの画像も解析することで、全く雲のない画像を作り出せる
Google Earth Engineでは他のパターンの画像も解析することで、全く雲のない画像を作り出せる
イランの1989年頃の湖の様子
イランの1989年頃の湖の様子
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2016年になるとかなり干上がっている
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同じく1989年頃のブラジルの森林地帯
2016年にはかなりの範囲で森林伐採が進んでいる
2016年にはかなりの範囲で森林伐採が進んでいる

 その一方で、Google EarthのVoyagerでは、そうした自然保護に関わる取り組みについても紹介している。インドネシアにある、世界で唯一野生のオランウータン、トラ、ゾウ、サイが共生している「ルセル生態系」を取り上げたテーマでは、そこがどのような場所で、どのような課題があるかを地理情報や映像、文章で見せつつ、破壊された自然を取り戻す実際の活動にも焦点を当てている。

 松岡氏は、自然環境が危機的な状況でありながらも、現地での保護・回復活動によって実際に数年で森林が元に戻った例があることも映像で示しながら、「何かしらの活動を始めれば地球はよみがえるんだな、ということを知ってもらえれば」と会場の子どもたちに語りかけた。

回復活動をし始めた2011年時点の森林の状況
回復活動をし始めた2011年時点の森林の状況
わずか3年後の2014年になると森林が復活してきていることがわかる
わずか3年後の2014年になると森林が復活してきていることがわかる

タブレット端末で思い思いに地球を探索

 セミナー終了後は、PCや数台のタブレット端末で子どもたちが自由にGoogle Earthに触れることができる時間も設けられた。さっそくVoyagerで好みのテーマを深掘りしていく子どもたち。進学先としてすでに心に決めているというハーバード大学をGoogle Earthで見せてほしいとせがむ子どもなどもいて、早くもそれぞれが思い思いにGoogle Earthを使いこなしていた。

 今回のワークショップでは、松岡氏からの「世界で一番高い山は?」「ワールドカップが開催されたロシアのスタジアムは?」といった問いかけにも、子どもたちが驚くほどの早さで正解を言い当てていたのが印象的だった。Google Earthを試せるタブレット端末への食いつき方を見ても、子どもたちにとっては夏休みの自由研究のヒントにつながる、知的好奇心が刺激される内容だったに違いない。

ワークショップ終了後、松岡氏が使うPCに集まる子どもたち
ワークショップ終了後、松岡氏が使うPCに集まる子どもたち
さっそく1人で自由自在に調べている子どもも
さっそく1人で自由自在に調べている子どもも

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