松岡氏はこの機能を使って、都市開発が進むにつれ近隣の湖が縮小している様子、ダム開発の影響で森林伐採が進んでいる状況などがわかるタイムラプス映像を流し、「持続可能な世界」という目標の妨げとなる深刻な状況が、世界の各地でまさに進行中であることを訴えた。
その一方で、Google EarthのVoyagerでは、そうした自然保護に関わる取り組みについても紹介している。インドネシアにある、世界で唯一野生のオランウータン、トラ、ゾウ、サイが共生している「ルセル生態系」を取り上げたテーマでは、そこがどのような場所で、どのような課題があるかを地理情報や映像、文章で見せつつ、破壊された自然を取り戻す実際の活動にも焦点を当てている。
松岡氏は、自然環境が危機的な状況でありながらも、現地での保護・回復活動によって実際に数年で森林が元に戻った例があることも映像で示しながら、「何かしらの活動を始めれば地球はよみがえるんだな、ということを知ってもらえれば」と会場の子どもたちに語りかけた。
セミナー終了後は、PCや数台のタブレット端末で子どもたちが自由にGoogle Earthに触れることができる時間も設けられた。さっそくVoyagerで好みのテーマを深掘りしていく子どもたち。進学先としてすでに心に決めているというハーバード大学をGoogle Earthで見せてほしいとせがむ子どもなどもいて、早くもそれぞれが思い思いにGoogle Earthを使いこなしていた。
今回のワークショップでは、松岡氏からの「世界で一番高い山は?」「ワールドカップが開催されたロシアのスタジアムは?」といった問いかけにも、子どもたちが驚くほどの早さで正解を言い当てていたのが印象的だった。Google Earthを試せるタブレット端末への食いつき方を見ても、子どもたちにとっては夏休みの自由研究のヒントにつながる、知的好奇心が刺激される内容だったに違いない。
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