Googleが、「Gmail」と連携するアプリの開発者にユーザーの電子メールをスキャンするだけでなく読むことまで認めているというニュースが伝えられた際、われわれが聞いたのはシリコンバレーのいつもの言い訳だった。「ユーザーはそれを承知でサインアップしているはずだ」。
あなたはFacebookがユーザーデータをサードパーティー開発者と共有しているのは嫌かもしれない。だがあいにく、それはプライバシーポリシーに明記されている。Twitterがあなたのインターネット上の行動履歴を追跡していることについてはどうだろう? 同社はデータポリシーでそれを明記している(読んでいないかもしれないが)。そして、おそらくあなたは2017年、Unroll.Meがあなたの受信箱から集めた情報を販売していると知って憤慨しただろう。同社の最高経営責任者(CEO)はユーザーの動揺を知って「心を痛めている」と語ったが、それが無料サービスを収益化するビジネスというものだ。
プライバシー擁護者は長年、こうした業界のやり方に抗議し続けてきた。米電子プライバシー情報センター(EPIC)のエグゼクティブディレクター、Marc Rotenberg氏はメールで、GoogleやFacebookなどの企業はソフトウェア開発者がユーザーデータをどう使うかについて責任をとる必要があると述べた。
「サードパーティー企業がユーザーの個人データをどう利用するかをユーザーが理解すると期待するのは無理があり、非現実的で非効率的だ。Facebookと同様に、Googleもアプリ開発者による個人データの不正利用に責任がある」(Rotenberg氏)
ユーザーがデータ共有をオプトアウトできる場合もある。または、サービスの利用をやめることも可能だ。それでも、自分のプライバシーが侵害されたように感じないわけにはいかない。データポリシーについて議員からの指摘や訴訟、規制の脅威に直面する中、テクノロジ企業にとって消費者の反応が大きな問題になりつつある。そうした企業はずっと、データポリシーについてユーザーに説明してきたとしているが。
Forresterのアナリスト、Fatemeh Khatibloo氏は、テクノロジ企業は無料サービスを享受する代償についてユーザーにはっきり理解させる必要があると語った。「このサービスを無償で提供するのは、あなたのデータを別の方法で収益化しているからだ、とはっきり言うべきだ」(Khatibloo氏)
この問題は今週、The Wall Street Journal(WSJ)が、「数百もの」外部ソフトウェアメーカーがGmailユーザーの受信箱をスキャンできるようになっていると報じたことで再浮上した(Gmailの月間アクティブユーザー数は10億人以上だ)。幾つかのケースでは、メーカーの従業員がユーザーのメール数千件を読んだという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス