「商品にお金を出さない客は、客ではなく商品だ」という言い方がある。
受信ボックス整理サービス「Unroll.Me」を無料で利用したユーザーの一部は、その対価に気がつき始めた。同社がユーザーの電子メールデータを売却していることが明らかになったからだ。
Unroll.Meは購読している電子メールを仕分けすることで受信ボックスを整理してくれるサービスで、必要のないメールは購読を解除してくれる。しかし、Unroll.Meは配車サービスのLyftが送信した領収書を追跡し、それをLyftの最大のライバルであるUber Technologiesに売却していたと報じられている。
この事実は、シリコンバレーでの成功を目指すUberの挑戦を批判的に報じたThe New York Timesの記事で明らかになった。その記事では、UberがiPhoneユーザーの特定とタグ付けを秘密裏に、アプリケーションが端末から削除された後でさえ、行っていたことも伝えている。
Unroll.MeはUberへデータを売却したことをはっきりと認めてはいないが、無料サービスがどのようにして成り立っているか「十分明確に」説明していなかったと謝罪した。
「われわれが無料サービスをどのようにマネタイズしているかを知った一部のユーザーが動揺していると知って心を痛めている」とUnroll.Meの最高経営責任者(CEO)Jojo Hedaya氏は同社のブログに記している。
「全てのデータは完全に匿名化されており、購入のみに関連している」とHedaya氏は記し、より明確な情報をウェブサイトに記載することで「もっとユーザーの役に立つ行動をする必要がある」と述べている。
Uberにコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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