——擬音を見るためだけに、メールを送る機会が増えそうですね(笑)。 「JOJOエディター」はそのネーミングからなんとなく想像できますが、どのような機能なのでしょう。
津田氏 : まず、第1部~第8部から厳選したさまざまな名シーンの画像がプリインストールされていまして、これを友人同士でお互いに送りあったり、SNSに投稿したりできます。JOJOエディターは、これらの画像をベースに、名シーンのセリフを編集できるアプリです。
たとえば、プロシュートの兄貴の「ブッ殺すと心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」という名ゼリフがありますが、そのままコミュニケーションで使えないこともありますよね。ブッ殺すと心の中で思っていないわけで、その一部を僕らはもじって会話で楽しんだりしますよね。ある意味ファン同士で「このシーン」という共通認識があるからこそできるコミニケーションだったんですけれども、それをアプリという形で本当に実現してしまおうというのがこのJOJOエディターですね。
まずは、セリフを書き込める機能ですね。いくつかのシーンの中から1番ハマるものを用意して、そのセリフの一部を編集して、自分の画像としてジェネレートすることができます。自分でいろいろと編集して、凝った画像を作ってしまう方もいますが、これがオフィシャルに手軽にできるというところで、ファン同士の会話を盛り上げることができるのではないかと考え、採用させていただきました。
鹿島氏 : エディットした画像は保存してとっておくこともできるので、お気に入りのセリフをその都度作らずに、すぐに呼び出すことが可能です。
津田氏 : ただし、全文を書き換えてしまうと、元のストーリーの文脈からズレてしまうこともあるので、あくまでも一部分だけを編集できるようにしています。また、これは荒木先生からのご要望で、コマの形も原作と同じにしています。トリミングをするというアイデアも当初あったのですが、むしろ「あのコマだ」ということを意識しやすくなっていますね。
——確かに、岸辺露伴の「だが断る」はコマの形もセットで記憶していますよね。
鹿島氏 : そう考えると結構おもしろいコマの形もいくつかあって、たとえばメローネのセリフ「ディ・モールトよしッ!」なんかは、とてもユニークな形になっていますので、SNSで使用する時も面白いかなと思います。
津田氏 : 僕らが最初に覚えた、数少ないイタリア語の1つですよね(笑)。
あと、これは発売後のアップデートで実装する機能ですが、イラストとセリフを組み合わせてGIF動画のようなオリジナルのコマを作ることもできます。それぞれの名シーンの画像を見ていただいた時に、ちょっと足りないキャラがいるんじゃないかなと思ったかもしれません。一部のキャラクターについては、僕らもセリフが絞り込めなかったりしますし、イラストとしてはそこまでフィーチャーされていないんだけれど、セリフがすごく立っているものもあると思います。
そこもちゃんとコミュニケーションに取り込んでいこうというところで、この機能を開発しました。これは先ほどのセリフを書き込む機能とは全く違うアプローチでして、14種類のキャラクターごとに3パターンのイラストと10パターンのセリフを用意しています。それらを融合して、背景の色と効果をつけて、自分だけの1枚を作ることができます。
鹿島氏 : ジョジョって、いいセリフが多すぎるじゃないですか、特に岸辺露伴とか。どうしても絞り切れないけれど、無限にコンテンツを作るわけにもいかない。その中で、この機能があることで、1人のキャラクターを掘り下げて、セリフを増やすというパターンも作れるだろうと考えました。もちろん、キャラクターとそのキャラが言ったセリフの組み合わせは固定なので、別のキャラクターのセリフを言わせるといったことはできない設定にはなっています。
——オリジナルのコマを作れる機能、実装が待ち遠しいです。ところで、「名言変換辞書」は前モデルにも搭載されていた機能ですよね。
津田氏 : はい、前モデルにも辞書機能は搭載していたんですけれども、語彙数がかなり増えていますね。端末のメモリが大きくなって搭載できる量が増えただけでなく、それにともなう十分なパフォーマンスを確保しています。前モデルでは、まだ端末のスペックが十分ではなかったので、入力にもたついたりする経験をされた方もいると思うのですが、今回はサクサク快適にご堪能いただけると思います。
鹿島氏 : 結構不安だったんですよ。語彙数を増やせば増やすほど重くなってしまうんじゃないかと思っていたんですが、この端末はかなりスペックが高くて、全然そこら辺はストレスなく使えますね。ちなみに、僕のお勧めは第8部のつるぎちゃんの「オッケーおけつだよ!」ですね。つるぎちゃんのダジャレはほぼ網羅しています(笑)。あとは、表示されたセリフを押し続ければ、オラオラとか無駄無駄とかレロレロとか、連続使用のセリフも無限に入力できるようになっています。
津田氏 : 単語関係でいうと、とっさに出てこない技名などもすぐに変換してくれます。たとえば、第2部のストレイツォの「空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)」とか、エシディシの「怪焔王大車獄(かいえんのうだいしゃごく)」とか。
——すぐに漢字が浮かばないことも多いので助かります(笑)。前モデルと比べて、辞書の語彙数はどれくらい増えていますか。
鹿島氏 : 固有名詞を含めると、2000センテンスは超えていますね。前モデルと比べると5倍くらいはあるかもしれません。それも、前回の辞書を引き継げばよかったのに、何を血迷ったのか、もう一度最初から作り直したんですよね(笑)。なので、前回と言葉の区切り方が違ったりする箇所もあると思います。あとは、前回はスペック的な問題もあって削る作業をしたんですけれども、今回は載せまくっていて、名言でも何でもないような言葉も混じっています。でも、ジョジョっぽい表現ってあるじゃないですか。口語として「◯◯だよぉ」みたいなものとか、意外とそういうものも使えるかなと思っています。
——前モデルにも搭載されていた「カメラアプリ」はどう変わったのでしょう。
津田氏 : 今回のスタンドカメラには、顔認識でAR撮影ができる機能が標準搭載されていて、被写体に合わせて選んだスタンドが表示されます。また、スタンドとの位置関係や大きさも自動的に調整してくれるので非常に便利です。さらに撮影後には、「シアーハートアタック」(第4部・吉良吉影のスタンド)や「メメタァ」(第1部・ウィル・A・ツェペリがカエルを殴りつけた時の擬音)など、さまざまなジョジョにまつわるスタンプを自由に貼り付けることができます。
スタンドは当初、「ストーン・フリー」(第6部・空条徐倫のスタンド)、「キラークイーン」(第4部・吉良吉影のスタンド)、「D4C」(第7部・ファニー・ヴァレンタインのスタンド)、「タスク ACT2」(第7部・ジョニィ・ジョースターのスタンド)、「スパイス・ガール」(第5部・トリッシュ・ウナのスタンド)の5種類を用意していて、発売後はアップデートによってさらに3種類+αを追加する予定です。
スタンドごとのデザインや大きさ、出現する位置などにバリエーションを出したかったので、スタンドもあまり王道なものではなく、少し独特のラインアップになっています。また、スタンドが登場しない第1部や第2部についても、写真と組み合わせて楽しんでいただけるスタンプをいくつかご用意しています。この花粉症のシーズンには、波紋法矯正マスクなんかはオススメですね(笑)。
鹿島氏 : 前モデルは端末スペック的に動作が重くなってしまうところもあったのですが、今回はチューニングによってサクサク動きます。また、スタンプの回転も新たに可能になり、はるかに自由度が高まったので、こちらも楽しんでいただきたいですね。
——いまは「SNOW」のような顔認識でイラストを合成するアプリも増えているので、利用者の要求水準も高まっていますよね。
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