鹿島氏 : キービジュアルについては、今回もわれわれからキャラクターの指定はしていなかったので誰になるかは分からなかったんです。集英社さんからは、特に指定がなければ最新のストーリから最新のキャラクターを描かれることが多いですよ、みたいなことはうかがっていました。そうすると、第8部の主人公の定助とかになるのかなと思っていたんですが、まさかの第5部の3人でした。それも1人じゃなくて3人というところが面白いですよね。
前モデルでは、承太郎1人が描かれていて、背景にレリーフのような模様が入っていたと思うんですけど、今回も少し違うパターンではあるものの、同じように壁紙を意識されたようなデザインレイアウトになっています。よくみるとスタンドの顔が小さく描かれていたりするところも、微妙にリンクしているんですよね。
津田氏 : このレイアウトはかなり“意外!”でしたね。こうやって地面に座っている3人がいてその後ろに柱があると、僕らの単純なイメージとしては下に寄せて配置するイメージがあるじゃないですか。ただ、先生からは基本的に上から始まる絵なんですというご指定があったんです。そこで、下の空いているスペースにアイコンなどを配置してみると、すごく壁紙としてのまとまりが良くなって、先生はスマホのキャンパスに合わせてイラストを考えられていたんだなと思いましたね。
鹿島氏 : イラストをどこでカットするのかというご指定もいただきました。たとえば、ジョルノの靴が綺麗に入るようにとか。
津田氏 : もともとは画面サイズよりも横長のイラストを描かれた上で、こういうレイアウトにしていただいたので、完全な状態のイラストは箱のほうにサイドに回り込むような形で残してありますので、こちらもチェックしていただきたいです。
——今回、キービジュアルとエンブレムがともに第5部ということで、せっかくなのでお2人の印象に残っている第5部のエピソードを教えてもらえませんか。
鹿島氏 : なるほど......いくつ挙げればいいんだろう(笑)。
——1つだけでお願いします。
鹿島氏 : 1つですか、辛いなぁ。でも、あえて挙げるとしたら、アバッキオがボスに殺害されて去るシーンは結構グッときています。亡くなる直前に、自分のせいで犠牲になってしまった先輩警官と走馬灯の中で出会うようなシーンがあるのですが、その先輩から「大切なのは真実に向かおうとする意志だと思っている。向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人を逃したとしてもいつかは辿り着くだろう?向かってるわけだからな」と言われるんですよ。繰り返し言うわけです、向かっているんだからなと。遅かったりするかもしれないけれど、前に向かっていれば必ず辿り着ける。すごくロジカルなんだけれど叙情的にもすごくシビれたんですよ。このプロジェクトもまさにそうで、この端末を発売するというゴールがあって、2年くらいかかっているんですけど、そこに向かって一歩ずつ進んだ結果がこれなんだという、そのあたりが結びつく気がするんです。
——思い出すだけで泣けてきますよね。「今にも落ちてきそうな空の下で」というタイトルもすばらしい。
津田氏 : いいエピソード持ってくるなぁ。
鹿島氏 : やっぱり津田さんはアバ茶のシーン(レオーネ・アバッキオが新人のジョルノ・ジョバァーナに対して小便を飲ませようとするシーン)ですかね?(笑)。
津田氏 : いや、それはない(笑)。私はやっぱりキング・クリムゾン VS メタリカですね。これは外せないです。個人的に漫画作品の1番アツいところって、主人公じゃなくて敵役同士がしのぎを削るシーンなんですよ。その最たるものがこのバトルですね。キング・クリムゾンの圧倒的な能力や存在感を匂わせつつも、まだディアボロの正体が明らかになっていない中で、いきなり最初の邂逅が、これもまた謎の暗殺チームリーダーのリゾット。さらに、ドッピオのキャラクター構成の妙も含めて、衝撃的だったんですよね。
——リゾット立ちの登場シーンもカッコいいですよね。
津田氏 : 問答無用でカッコいいですよね、リゾットは。圧倒的なスゴ味があって、それに対してボスが敬意を表するような描写があったり。あとは、細かいところなんですけれども、戦いの後の形跡を見て、ブチャラティが瞬時にそこにいた2人の実力を見抜く、そんなブチャラティも絡めた三つ巴のシーンというイメージが強いですね。なので、実は今回のモデルでは第5部のテーマで、暗殺チームにフォーカスしたイラスト(画集「JoJo aーgo! go!」に収録)を採用しています。
——実は私も、キング・クリムゾン VS メタリカ戦が1番好きなんです。これはジョジョという作品全体に言えることかもしれませんが、よくある「正義 対 悪」という構図ではなく、お互いが考える正義と正義がぶつかっていると思わせるようなシーンが多いんですよ。これは実社会も同じだと思っていて、単純に悪だと括ってしまえる人なんていなくて、相手が考える正義をちゃんと理解して尊重しないといけないんですよね。
津田氏 : まさにプロフェッショナルな世界ですよね、第5部のギャングの世界っていうのは。なので、もう1つ悩んだのはプロシュートとペッシのエピソードなんですよ。ブチャラティのチームというのは、特にジョルノやブチャラティの洞察力が優れていて、敵の攻撃を克服してしまえば有利になりやすかったりするんですけど、プロシュート戦では初めてそこが拮抗したというか、主人公サイドに引けを取らないような覚悟と知性があるキャラクターですごくインパクトがありましたね。
——プロシュートの“覚悟”を見て、自分に自信を持てなかったペッシが成長するシーンも見どころですよね。
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