インターネットから何かの情報を取得したければ、Googleで検索を実行する。私たちは20年近く前からそうしてきた。Google独自の概算によると、年間1兆件以上の検索が実行されているという。Googleは検索に秀でており、英語の「google」が「検索する」という意味の動詞になっているほどだ。
しかし、その後、「Alexa」が登場した。AlexaはAmazonのスマートスピーカ「Echo」に搭載された音声起動型バーチャルアシスタントだ。ユーザーは音声で質問するだけで、自分の求める情報をインターネットから得られるようになった。それからほどなく、Amazonは「Echo Dot」を発表するという賭けに出た。Echo DotはEchoよりはるかに小型のスマートスピーカで、価格は49.99ドルと圧倒的に安く設定されている。Amazonに2年の先行を許したGoogleも、Echoと競合する「Google Home」をついにリリースしたが、Amazonはスマートスピーカ市場で既に圧倒的なシェアを獲得していた。Googleにとってはさらに困ったことに、Echo Dotは短期間でEchoを凌ぐヒット製品になった。
そうした経緯を経て、2017年10月に「Google Home Mini」が登場した。Googleは、まだライバルに追い付こうとしているところで、急速に進化しているカテゴリでも現在形を維持しようとしている。Echo Dotと同様、Google Home Miniも素晴らしい製品だ。
そして、まさにそれこそが問題点である。Google Home Miniの長所のほとんどは、「Echo Dotに似ている」ゆえの長所でもある。Google Home Miniは直径10cm弱の音声起動型スマートスピーカ(Echo Dotと同じ)で、価格は約50ドル(Echo Dotとほぼ同じ)である。さらに、ユーザーは音声命令で音楽のストリーミングや情報の検索、スマートホームガジェットの制御を行えるほか、電話をかけたり、くだらないジョークを聞いたりすることもできる(Echo Dotと同じ)。Google Home Miniは(Echo Dotと同じように)素晴らしい製品であり、(Echo Dotと同じように)購入する価値がある。しかし、Echo Dotと異なり、Google Home Miniは35ドルの「Chromecast Audio」ドングルを別途購入しない限り、既存のスピーカに接続できない。
それでは、Echo DotではなくGoogle Home Miniを買うべき理由はあるのだろうか。
Googleはその質問にもっと明確な答えを出すべきだった。Google Home MiniはEcho Dotより見た目がいい。音質も若干優れている。しかし、「Google Assistant」がいくつかの点でAlexaより賢く、優秀だとしても、Alexaより格段に優れているわけではない。少なくとも、一般の消費者が簡単に分かるような、明らかな優位性はない。それを考えると、Google Home Miniは優秀で価値のあるデバイスだが、その長所の多くはEcho Dotと同じなので、大きな差を付けることはできないだろう。重要なソフトウェアアップデートや優れたサードパーティー製品との統合によって、それが変わる可能性もあるが、現状では、Echo Dotの方が依然として優れた選択肢だ。
Here’s a general knowledge showdown between the Echo Dot and the Google Home Mini. Both are pretty versatile, but neither sweeps the other. pic.twitter.com/29vB1pgVea
— Ry Crist (@rycrist) 2017年10月5日
GoogleはGoogle Home Miniのデザインに関して、シンプルさを貫いた。本体は平たい丸形で、プラスチックとファブリックで覆われており、背面に隠されたマイクミュート用のスライダを除けば、目に見える場所にボタンはない。カラーはチョーク(ライトグレー)、チャコール(ダークグレー)、コーラル(ピンクがかったオレンジ)の3色が用意されている。
Google Home Miniを起動させるには、「OK, Google」または「Hey, Google」と呼びかけた後、質問したり、命令したりする。Google Home Miniに命令して、音楽の再生、スマートホームガジェットの電源の切り替え、知りたい情報の検索、「Chromecast」対応テレビでのNetflixやYouTubeの制御など、さまざまなタスクを実行させることが可能だ。Google Home Miniがあれば、ユーザーは声を発するだけで、インターネットの機能を利用できるようになる。ユーザーのコンシェルジュを務めるのは、Google Assistantだ。
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