カブクは7月24日、博報堂コンサルティング・アジア・パシフィックと共同で、ASEAN地域におけるプロダクト開発を短期間で可能にするアジャイル型商品開発プログラム「Agile Future Emerging Program(アジャイル・フューチャー・イマージング・プログラム)」の提供を開始すると発表した。
ASEAN地域は、人口増加・市場成長が継続的に見込まれ、多くの日系企業にとって有望市場であるが、それぞれの国・都市における民族、宗教、言語が多様であり、変化のスピードも速いことから、生活者インサイトを捉えるにあたって個別性をどう捉え、対応していくべきかが重要になるという。
しかし、こうした市場で丁寧に対応するほど、「調査」「製品コンセプト作り」「プロトタイピング」「製品化」という形でプロセスがどこかで分断・重複してしまい、結果としてスケジュールやコストが当初計画よりかさんでしまうことが多く起こっていた。
そこで、世界各国に産業用3Dプリンタ工場のネットワークを保有し、デジタルモノづくりを推進するカブクと、ASEAN地域におけるデザイン思考型での商品開発・新規事業開発などを手がける博報堂コンサルティング・アジア・パシフィックの両社が提携した。プロジェクトを一体で推進することで、各プロセスを効率的に運営。このサービスでは、「生活者理解」「機会発見」「顧客経験創造」という3ステップを設定している。
通常、メーカーが自動車、バイク、家電といった高精度のプロトタイプを自社製作するには、クレイモデルを作成した上で、工作機械の導入・工場ラインの変更などが必要で、多大なコストと時間がかかっていた。また、ASEAN地域のように地理的に分散した場所においては、各工場で製作したパーツの輸送や組み上げでも、コストや時間が増加する要因となっていた。
このプログラムでは、カブクのデジタル製造サービスと、提携関係にある日本通運のグローバル流通ネットワークを活用し、製造と輸送を一体化。これにより、リードタイム・コストの低減・圧縮を実現。全てのステップを通じて、現地生活者からのフィードバックを受けながら、3~6カ月の短期間で現地の多様性を加味した形で商品・サービス開発できるのが特徴となる。
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