CNET Japanでは、若年層がメインユーザーのスマートフォンアンケートアプリ「TesTee(テスティー)」を運営するテスティー協力のもと、現代の若者たちの実態に迫る連載を開始。
第1回目は10~20代の男女2066名(10代:660人、20代:1406人)に対して「ニュース」に関する意識調査を実施した。そもそもニュースを見ているのかという疑問から、ニュースを閲覧する媒体、利用しているニュースアプリまで幅広く調査し、若年層のリアルな姿を読み解いていく。調査期間は2017年6月19~20日。
まず、ニュースをチェックする頻度について調査したところ、10代では66.5%、20代では72.4%がニュースを「1日1回以上」チェックしていることが分かった。ニュースをチェックする媒体を複数回答で尋ねたところ、10代、20代ともに「テレビ」と「スマートフォン」に回答が集中し、他と大差をつける結果となった。また、テレビでニュースをチェックすると回答した人のうち、スマートフォンでもニュースをチェックする人は10代で74.5%、20代で76.1%となり、7割以上の若年層がテレビとスマートフォンの両方からニュースを収集していることが分かった。
続いて、「テレビでニュースをチェックする」と回答した人を対象に「テレビでニュースを見る際の意識」について調査したところ、全体の66.0%の人が「テレビをつけて気になったニュースのみ意識して見る」と回答。「ニュースを見るために意識的にテレビをつける」と回答した人は3割程度だった。意識的にニュースをチェックするよりも、なんとなくテレビを見ながらニュースを収集する若年層が多いと考えられる。
次に「スマートフォンでニュースをチェックしている」と回答した人に、利用するサービスを聞いたところ、10代、20代ともに「WEB、ネット」との回答が最も多く、10代で50.3%、20代で62.5%が「スマートフォン」かつ「WEB、ネット」でニュースをチェックしていることが分かった。
さらに、「気になるニュースがあった際の行動」についての質問には、10代の69.7%、20代の70.8%とおよそ7割の若年層が「WEB検索」と回答。若年層は気になるニュースがあった際に、ウェブやインターネットで自発的に検索していることが伺える。また、10代では第2位「SNS」47.6%、第3位「ニュースアプリ」39.5%となり、20代では第2位「ニュースアプリ」44.6%、第3位「SNS」40.0%という結果になった。若年層の多くは、まずテレビでニュースに接触し、その中から気になったニュースをスマートフォンでネット検索するという行動が習慣化していると推測される。
そこで、「WEB、ネット」「ニュースアプリ」「SNS」それぞれについて、ニュースをチェックする際に利用している具体的なサービス名を挙げてもらった。まず「WEB、ネット」と回答した人では、10代、20代ともにおよそ7割の人が「検索エンジン系(Yahoo!ニュースやGoogleニュースなど)」のニュースサービスを利用していることが分かった。また、10代、20代ともにおよそ3割の人は「新聞、通信社系サイト」もしくは「まとめサイト」を利用している。
「SNS」と回答した人では、10代、20代ともに「LINE」が最も多く10代で86.2%、20代で71.5%、次いで「Twitter」が続き、10代で70.7%、20代で66.9%という結果となった。10代と20代で差が開いたのは「Facebook」で、20代では25.6%が利用しているのに対し、10代では9.9%の利用に留まった。これらの結果から、全体として若年層の間では連絡手段としてのみならず、情報収集の手段としてもSNSが利用されているようだ。
「ニュースアプリ」と回答した男女100名(10代:47人、20代:53人)から、よく利用する「ニュースアプリ」アイコンを設置している画面のスクリーンショット画像を収集。テスティーのツールによる画像解析を実施した。
スクリーンショット解析の結果、「Smart News」の保有率が最も多く、100人中42人が保有していることが判明。次いで「グノシー」が14人、「Yahoo!ニュース」が10人という結果になった。あわせて、SNSアプリを除くニュースアプリの平均保有個数は1.33個ということも分かった。ニュースアプリという特性上、複数個保有して用途に合わせて利用するというよりも、気に入ったアプリや使い勝手の良いアプリを1つ選んで利用している人が多そうだ。
さらに、SNSでニュースチェックする若年層の多くはLINEを利用していたが、スクリーンショット解析の結果、「LINEニュース」の保有者は100人中3人にとどまった。LINEでニュースをチェックする人はLINEアプリ内のニュースでチェックしている可能性が高いと言えるだろう。そして、ニュースアプリを複数個所有している人のホーム画面には「就活系アプリ」や「資格系アプリ」が置かれている傾向も見られた。就活対策として複数媒体でニュースをチェックしている若年層も少なからずいることが伺える。
最後に、調査対象者全員に対して「ニュースに関心を持つことは重要だと思うか」と尋ねたところ、10代の56.4%、20代の53.6%が「重要だと思う」と回答。「重要だと思わない」と回答したのは10代の13.2%、20代の16.6%と少数派となった。そして、10代、20代ともに残りの約3割は「場合によると思う」と回答。そこで、各回答者にその理由を尋ねたところ、以下のような意見が得られた。
情報が溢れかえる現代社会に生きる若者は、情報の重要性や自身との関係性を見極めながら取捨選択し、ニュースに触れている実態があると言えそうだ。
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