「Google Chrome」ブラウザへの広告ブロック機能の搭載を2018年に控えたGoogleが、圧縮アルゴリズムの「Brotli」を使って自社のディスプレイ広告を圧縮する取り組みを開始した。
Googleによれば、Brotli使って自社のディスプレイ広告を圧縮すると、標準的な「gzip」圧縮と比較して全体で15%データ量が減少し、場合によっては40%減少したという。すべてのディスプレイ広告がこの方法で圧縮されるわけではないが、Googleでは、ページの読み込み速度を高め、バッテリの消費量を抑えるために、「可能な場合はいつでも」Brotliが使われるようにしたという。
「この措置によりエンドユーザーに送信されるデータの量が、1日あたり数万Gバイト単位で減少する」と、Googleのパブリッシャタグ付けおよび広告レイテンシチームに所属するソフトウェアエンジニア、Michael Burns氏は解説している。
Googleが「Zopfli」の後継となる高速な圧縮アルゴリズムとしてBrotliを発表したのは、2015年9月のことだった。Brotliは圧縮率がZopfliと比較して20~26%向上しており、発表以降、Chromeだけでなく「Microsoft Edge」や「Firefox」にも採用されている。
Brotliの利用を自社の広告にまで拡大するという今回の発表は、広告ブロック機能をChromeに搭載し、不適切なオンライン広告を一掃する計画をGoogleが明らかにする中で行われた。この機能は2018年の早い時期にリリースされる予定だ。
このChromeの「広告フィルタ」が導入されると、許容できる広告の基準を定めた「Better Ads Standards」に従っていない広告が、Google自身の広告も含めて表示されなくなる。
Googleはまた、Brotliを利用して、検索結果から読み込まれる「Accelerated Mobile Pages」(AMP)対応ページの速度を向上させようとしている。VentureBeatの記事によれば、最近になって、AMP対応ページの読み込み速度がさらに高速化されたが、これには対応ブラウザで文書サイズを縮小するBrotliの機能が大きく貢献しているという。
なお、現時点でBrotliをサポートしていない主要なブラウザはAppleの「Safari」のみだ。Safariは「macOS」向けも「iOS」向けもBrotliには対応していない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」