Intelが「パッセンジャーエコノミー」(乗客経済)と呼ぶ分野で、配車や配達、車内エンターテインメントを含む自動運転車サービスの価値が2050年までに7兆ドルに達する見通しだという。
この大規模な経済的変化において、ロボットタクシーに料金を支払うことは、氷山の一角にすぎない。Intelがスポンサーとなり、Strategy Analyticsがまとめたこの調査報告書は、乗客がビデオ会議を使って仕事をする可能性や、自動運転車に昼食を取りに行かせて、乗車中に食べられるようにする可能性に言及している。同報告書が提示した7兆ドルという数字は、乗客に提供される広告や、配達サービス(重いものも軽いものも含む)のほか、運転の効率化と交通渋滞の軽減を可能にするこのテクノロジのおかげで節約される乗客の時間を考慮に入れている。
トラックや自動車によるサービスを含む現在の輸送経済は巨大だが、人間が自動車を運転する必要があるため、車内のドライバーは通常、絶えず道路に集中していなければならない。信頼性の高い自動運転車が発売されたら(現在の予測では2021年になる見通し)、これまで自動車を運転していたドライバーがやるべきことは、ほとんどなくなる。自動車がさらに進化すれば、自動車メーカーは車内のデザインを変更して、乗客全員が前方を向くのではなく、お互いに向かい合って座る、より会話しやすい座席配置を採用するかもしれない。ドライバーが現在日々の通勤に費やしている時間は全て自由な時間になると、同報告書では予測している。
自動運転車サービスの価値予測の最も大きな部分(約3.7兆ドル)を占めるのは、自動運転車サービスを利用する普通の人々だ。これらの人々の大半(現在のドライバーの約50%)は、自家用車を所有しなくなる可能性が高い。価値予測の多くを占めるもう1つの要素は自動配達などのビジネスサービスで、約3兆ドルの規模になると予想されている。一方、移動式マニキュアサービスから食事の配達まで、あらゆるものを含む可能性がある新サービスは2000億ドル規模に達する見通しだ。
Intelから今回の調査についてコメントを求められたジャーナリストのGreg Lindsay氏は、「20世紀には、一般の人々が購入できる価格の自動車が登場して社会に大きな影響を及ぼしたが、自動運転車もそれと同じくらい大きな影響を社会にもたらすだろう」と述べた。車内での時間がより生産的、またはより楽しいものになるため、人々はより長時間の通勤を選択して、都市からもっと離れた場所に住むようになる可能性があるという。
この調査では、自動運転車の本質的な安全性によって、2035年~2045年の間に53万5000人の命が救われる可能性があるとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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