YouTubeは、米国時間5月4日にニューヨークで開催された広告主向けのイベント「NewFronts」で、広告入りの無料サービスでテレビ番組のようなシリーズを提供する計画を発表した。従来のテレビや映画、音楽界のスーパースターに加えて、YouTubeで有名になったオンラインの著名人をそろえるという。
各番組は、YouTubeがすでにサブスクリプションサービス「YouTube Red」で配信している番組のスタイルを踏襲するが、CM付きで誰でも視聴できる。
最初に配信される7つの番組に登場する著名人としては、Kevin Hart、Ellen DeGeneres、Katy Perry、Demi Lovatoのほか、YouTubeでバラエティ番組「Good Mythical Morning」を運営しているRhett & Link、ユーチューバーのThe Slow Mo Guysなどがいる。Bloombergは今回の発表に先駆けて、当初の番組制作計画では今後1年間で40本を超えるオリジナルの番組や映画を製作する費用として数億ドルが投じられると報じた。
YouTubeの最高経営責任者(CEO)を務めるSusan Wojcicki氏は、4日のプレゼンテーションで次のように述べている。「YouTubeはテレビではないし、今後も決してテレビにはならない。(広告主の)皆さんの力を借りて構築されたプラットフォームは、それより大きなものだ」
YouTubeはこの日、広告主に対し「通常のテレビに割り当てている巨額の予算は、YouTubeに投じる方が理にかなっている」とのメッセージを打ち出した。ただし、4日のイベントは、YouTubeと多額の資金を同サイトに注ぎ込んでいる広告主の関係が難しくなっている時期と重なった。YouTubeの自動化されたソフトウェアによって、人種差別など好ましくない内容に満ちあふれたコンテンツの隣に広告が掲載されているケースが明らかになったとメディアが報じたことを受けて、PepsiCoやWalmart、AT&Tといった大手ブランドを含む広告主らはYouTubeから広告を引き上げる大規模なボイコットに打って出た。
「ここ数週間は一部の皆さんにとって困難なものであり、対応を改善するよう要望を受けた。われわれは皆さんのフィードバックを重く受け止めている」(Wojcicki氏)
Wojcicki氏によると、YouTubeはマーケターの管理権限を強化するよう取り組んでいるという。
YouTubeは今後もRed向けに番組の製作を続けるとしているが、YouTubeによると、Redの広告のないモデルによって、そのように改善された番組の隣に広告を表示させることに関心のある広告主から利益を得られなくなったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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