PR TIMES、顧客対応ツール「Tayori」にチャット機能を実装

 プレスリリース配信サービスを運営するPR TIMESは4月25日、同社が提供するカスタマーサポートツール「Tayori(タヨリ)」を大幅にアップデートし、新たにチャット機能を搭載したほか、ユーザーインターフェース(UI)を刷新した。

カスタマーサポートツール「Tayori(タヨリ)」を大幅にアップデート
カスタマーサポートツール「Tayori(タヨリ)」を大幅にアップデート

 Tayoriは、ウェブページに1行のコードを埋め込むだけで、カスタマーサポート機能を利用できるようになるサービス。2015年7月に提供を開始し、ブロガーやECサイト運営者、アフィリエイター、エンジニア、デザイナーなど、小規模サイト運営者を中心に累計で5000以上のユーザーに利用されているという。

 特に読者とコミュニケーションをとりたいブロガーや、問い合わせフォームを作るリソースが足りないデザイン制作会社などから引き合いがあるそうだ。現在はPCで利用するユーザーが8割で、多いユーザーだと月に300件近い問い合わせを受けているという。

シーンに応じて「フォーム」と「チャット」を切り替え

 今回のアップデートでは、リアルタイム性を重視したチャット機能を搭載した。1~3人程度の小規模なサイトの場合には、常時チャット対応をする人員をなかなか割けないという課題がある。そこでTayoriでは、普段は問い合わせフォームで対応し、チャットで対応したい時だけチャットに切り替えられるようにした。サイトにアクセスした人は、ウェブサイトの右下に表示されるボタンを押すことで問い合わせができ、運営がチャットでオンラインかオフラインかを確認できる。

チャット機能が実装された
チャット機能が実装された

 また従来のUIでは、ユーザーが「自分がいまどのページにいるのか」「どんなタスクがあるのか」といったことを円滑に確認できず、迷わせてしまうという問題があったことから、よりシンプルかつ分かりやすいUIへと刷新したという。たとえば、ダッシュボードの上部に、問い合わせの通知を表示するようにした。

よりシンプルかつ分かりやすいUIへと刷新
よりシンプルかつ分かりやすいUIへと刷新

 さらに、フォーム受信箱は、未読数が一目でわかる動きのあるメニュー表示にした。また、メニューを固定表示にすることで、ページをスクロールしても検索ボックスやメニュー移動がスムーズに行えるようになった。返信コメント欄を下部に固定することで、顧客からの受信メッセージを確認しながら返信文を作成可能。返信コメント欄が邪魔な場合は表示枠を閉じることもできる。

返信コメント欄を下部に固定
返信コメント欄を下部に固定

 フォーム・FAQメニューについても、サイドバーではなくメインコンテンツへ配置することで、各メニューへアクセスしやすくした。これによりフォーム・FAQの簡易情報を確認しながらそれぞれのメニューを設定できる。FAQの各カテゴリでは、アイコンを設定できるようにし、ユーザーは直感的に問合せ内容を確認しやすくなった。アイコンは80種類用意しているという。このほか、ユーザーから要望が多かったというサブドメインに対応。また、問い合わせに対する自動応答メールのカスタマイズも可能にした。

フォーム・FAQメニューをサイドバーではなくメインコンテンツへ配置
フォーム・FAQメニューをサイドバーではなくメインコンテンツへ配置

問い合わせを「減らす」のではなく「増やす」

 PR TIMES代表取締役の山口拓己氏は、見込み顧客からの問い合わせに5分以内に返信すると、30分後のコンタクトと比べ、商談が進む可能性が21倍になるという米InsideSales.comの調査結果を紹介。「Tayoriのチャット機能によって、(導入ユーザーの)問い合わせから回答までのリードタイムを短くしたい」と話す。

 また、既存のFAQシステムの多くは、「問い合わせが減る」「コストを削減できる」といったことを売り文句にしているが、「それでは顧客とのコミュニケーションが減ってしまう」(山口氏)と指摘。Tayoriは問い合せ数を減らすためのツールではなく、むしろチャットなどの対話を通じて問い合わせやコミュニケーションを増やし、ロイヤルカスタマーを醸成することを目指していると話した。

 Tayoriの基本的な機能は無料(フリープラン)で利用できるが、新たに搭載した「チャット」機能は有料プランで利用可能。料金は、3アカウントまで作成できる「チームプラン」が月額3700円、10アカウントまで作成できる「スタンダードプラン」が月額8000円、アカウント数が無制限で設定できる「エンタープライズプラン」が月額2万7000円。いずれも税込みとなる。

料金プラン
料金プラン

 同社では、2018年2月期中に2万アカウントを目指す。また、小規模な利用者が多いことから、現在は99%のユーザーがフリープランを使っているが、チャット機能の実装などにより付加価値を高めることで、有料プランの比率を5%まで上げたいとした。

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