日本の動画広告市場規模は、2016年には842億円、2020年には、2.7倍に成長すると予測するデータもある(デジタルインファクト調べ)。
私が日本代表を務める、動画アドテクノロジー企業のアンルーリーでは、2006年から動画広告の分析を行っております。具体的には、ソーシャルプラットフォーム上の動画視聴再生数と、Facebookにおけるシェア数(シェア、いいね、コメントを含む)をトラッキングしています。
シェアする行為は、ウェブ上で把握できる消費者の態度変容と言えます。アンルーリーでは、シェアはお金で買うことができないもので、消費者にどの動画が支持されているかを把握する数値、として有効だと考えています。
KPIとして、シェアだけに注目するわけではありませんが、消費者視点での動画コンテンツの人気や支持率を計る上でウォッチ、活用していくことをブランドマーケターの皆様に推奨しています。
さらに、アンルーリーでは動画シェア率という指標に注目しております。動画シェア率とは、シェア÷視聴再生数で、お金で買うことでの出来ないシェアをいかに効率的に獲得できたかを示す、つまり、動画コンテンツの質を計る指標と考えています。
当社のデータによると、日本における動画シェア率は、前年比44%増と世界に類を見ない伸び率を示しています。
動画シェア率の上昇は、日本の広告主が過去2年間に、よりエンゲージ力の高いコンテンツを制作していることの証左と捉えています。
この機会に、日本市場でシェア数最大の三業種(自動車、日用消費財、テクノロジ)について分析した結果をご紹介します。データは、2015年、2016年における日本市場の主要業種別動画シェア数ランキング上位5000件(業種毎)から抽出しています。
さて、シェア数獲得に成功した企業は、どうやってこれを成し遂げたのか?
ここからは日本で成功する動画コンテンツ作成のヒントをお話ししましょう。5つのヒントに続いて、具体的な事例は次回のコラムでご紹介していきます。
1.感情トレンドを活用する
動画でどんな感情に訴えるのがオーディエンスに好まれるかは業種によって異なるが、日本人は”温かみ”を感じる動画を好む傾向にある。
2. 逆に、一般的でない感情を使う
“驚き”は、日用消費財の動画広告ではあまり見られない感情だが、大きな成果を上げた事例がある。
3.オーディエンスに動画をシェアする理由を与える
日本人が動画をシェアする主な理由は、製品がいいから、人の意見を聞きたいから、共通の関心を持つ人にシェアしたいからの3つ。
4.動画を日本市場に合わせる
動画に文化的要素や価値観を織り交ぜ、コンテンツをよりパーソナルで信憑性のあるものにしましょう。
5.ペイド・メディアを使い、強力なコンテンツをオーディエンスに確実にリーチさせる
成功を目指すなら、メディア投資し、動画コンテンツのポテンシャルを最大限に活かしましょう。
この記事はビデオリサーチインタラクティブのコラムからの転載です。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス