ゲッティの検索キーワード、購入歴から探る2017年のビジュアルトレンドとは

加納恵 (編集部)2017年02月28日 16時28分
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 デジタルコンテンツサイト「gettyimages.co.jp」を運営するゲッティイメージズジャパンでは、広告やビジュアルの最新トレンドを「Creative in Focus 2017」として刊行した。今の広告ビジュアルのトレンドとは何かについて、ゲッティイメージズ シニア・アート・ディレクターの小林正明氏が解説。スペシャルゲストに著述家、ディレクターの湯山玲子氏を向かえ、トークセッションを開催した。


左から湯山玲子氏、小林正明氏

 Creative in Focus 2017は、ゲッティイメージズが、1冊の書籍として毎年発行しているもの。「検索キーワード」「購入された画像」「企業ブランドの広告ビジュアル」の3要素についてビッグデータを分析、世界基準のビジュアルトレンドを導き出している。

 2017年にトレンドキーワードは、VRの普及とともに広告の中でも存在感を増してきた「Virtuality(バーチャリティ)」、色そのものがビジュアルの主役になる「Color Surge(カラーサージ)」、ローカル発信でありながらグローバルにアピールできる「Global Neighborhood(グローバル・ネイバーフッド)」、現代をしなやかに生きる女性像である「Gritty Woman(グリティ・ウーマン)」、スナップショット的な生写真に近い質感を持つ「Unfiltered(アンフィルタード)」、プロカメラマンには撮れないようなリラックスしたビジュアルの「New Naivety(ニュー・ナイーブティ)」の6つ。


2017年のビジュアルトレンドキーワード

 これを受け、湯山氏は「とても面白い。なかでもGritty Womanは、すごくわかりやすい女性像でいうと東京都知事の小池百合子さん。荒野の中でも私は立つという強い姿勢を表現している」とコメント。女性のビジュアルは長く人気のある素材1つだが、ニーズはより自然で、そして強い女性像が求められているという。

 湯山氏が「もう1つ面白いと思った」と挙げたのは、New Naivety。「YouTubeによって世界は変わった。一番『いいね』をもらえるようなコンテンツを選ぶと動物、子どもといった無邪気なイメージにつながる。そうしたニーズが広告コンテンツのクリエイティブに入ってくるのは、今の時代当たり前のこと」と話す。

 そのコメントを受け小林氏は「プロフェッショナルなものよりも、お茶の間で、中高生が面白い思ってくれるものがいい。それはどこの国、どこの文化であろうと関係なく見入ってしまうはず」とし、自然発生的なものが"みんなを笑わせる”ビジュアルにつながるという。

 大きなトレンドとして挙げられるVirtualityについては、「VRはすでに始まっており、ここ2~3年のことが、後々『あのタイミングでVRがはじまったんだ』と言われる年になると思う」と小林氏が言うと、湯山氏は「VRは魅力的だけど、社会の構造を変えるこわい部分もある。これが一般化されたら引きこもっちゃう」と自身になぞらえ、コメントした。

 また「最近のビジュアルコミュニケーションで印象に残ったものは何か」という質問が飛ぶと、湯山氏は迷わず「ピコ太郎。予想もつかなかった」と即答した。小林氏は「ピコ太郎こそGlobal Neighborhood。インターネットの普及により、世界中のどこにいても、見たいと思ったものに瞬時にたどり着ける」とインターネットにより、広告のビジュアルも大きく変わってきたことを解説した。

 ゲッティイメージズでは、過去1年間に2億3000万のサイトトラフィックがあり、ダウンロード件数は4億点にのぼるとのこと。現在2億点の素材を保有し、顧客数は200カ国にまたがる約100万人だ。国別ではアメリカが28.9%とトップで、インド10.6%、イギリス7.5%、ドイツ6.9%、フランス5.4%、日本4.8%の順で利用されている。


「Creative in Focus 2017」
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