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JR東日本が取り組むIoT、ビッグデータ、人工知能--「モビリティ革命」で目指すもの - (page 5)

日沼諭史 別井貴志 (編集部)2017年01月16日 10時00分
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約5時間の移動時間を“価値”に変えるチャレンジ

――今回の「モビリティ革命」には大変な意気込みを感じます。アイデアソンやハッカソンを通じて、オープンイノベーションで取り組んでいく「モビリティ変革コンソーシアム(仮称)」を設立する、というところも今までにない動きですね。

 鉄道は皆さんにとって非常に身近な乗り物なので、既存の鉄道サービスは改善の余地がありますから、アイデアもたくさん出てくると思います。また、データをたくさん持っているので、これを活かさない手はない。

 ただ、すでに具体的に動いているかというと、正直苦戦しています(笑)。鉄道事業は、いわば鉄道一家によるものでした。技術的にも、社内でまかなう自前主義でしたし、お付き合いしているのも大手の“鉄道がわかっている”企業でした。でも、いろんなアイデアが世の中にあり、スタートアップ企業がアイデアをもっていることもわかっています。鉄道そのものは知らない、けれどアイデアをもっている人に、そのアイデアをビジネスにもっていく仕組みを考えてもらいながら、新しいことを実現したいと思っています。

――日本の人口が減少していくなかで、鉄道サービスそのものの存続も岐路に立たされているところがあるかと思います。技術だけでは対応が難しい部分もあるのではないでしょうか。

 鉄道サービスは、例えば新幹線の場合、今までは単純に移動時間がどれだけかかるか、という考え方でした。移動時間が4時間を超えると飛行機を選ぶ、といった“4時間の壁”も知られています。でも、反対に考えると、新幹線では4、5時間というまとまった時間が過ごせるんですね。つまり、移動するそのまとまった時間を、もっと価値あるものにできるのではないかと。

 飛行機はどうしても時間が細切れになりますが、ビジネスの打合せをしたり、エンターテイメントコンテンツを楽しんだり、家族で会話したりなど、そういう時間をまとまってとれるのは鉄道の強みだと考えています。

 2030年には新幹線が札幌まで延伸することが決まっていますが、東京から札幌まで新幹線で約5時間かかるんです。現在5時間かかる東京~福岡間は、新幹線と飛行機を利用する人の比率は約1対9です。東京~札幌間において、お客さまに非常にマッチする移動環境と移動時間を提供できれば、5時間かかるけれど札幌まで新幹線で行くという人はかなり増えるのではないかと思います。

 技術的には、今はほとんど揺れない新幹線も作れるんですね。カクテルをなみなみと注いでもこぼれない新幹線もできます。静かで居心地のいい空間を活用するなどして新しいサービスを提供できないか、というのも検討課題の1つとなっています。移動時間をいかに価値と感じていただけるようにするか、それにかかっていますね。

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