「われわれは何年も前に多くの時間を費やして検討し、最高のパーソナルコンピュータを作るには、macOSをiPhoneに入れようとしてはいけないという結論に達した」とSchiller氏。「逆に、iOSをMacに入れることもできない。つまり、どちらも意図されたことを最も得意としている。そのため、それぞれ追加して意味をなすものは取り入れるが、根本的に変えることは、損なわれてしまうのでやらない」と語る。
Schiller氏がわれわれに「水のボトルをどけてもらえるかな?」と声を掛けた後、真っ白なコーヒーテーブルを覆っていた黒い布を取り払うと、アルミニウム製のノートブックが2台、姿を現した。ひとつはシルバーで、もうひとつはスペースグレイ。あまりに薄かったので、テーブルにボトルを置いたときはその存在に気づかなかった。
このお披露目は、白と黒のスタイリッシュなカンファレンスルームでのことだ。この真下にはAppleのTown Hallがある。インフィニート・ループ1に位置するこのセンターでこの後、新しいMacBook Proが正式に発表されることになる。外ではこの「hello again」イベントに向け、Appleロゴが描かれたバナーがそよ風にはためいていた。
たちまち、最も薄い、最も軽い、最も小さい、最も強力と、形容詞の最上級が飛び交った。タッチパッドが大きくなり、2015年の12インチMacBookで初登場した浅い「バタフライ」キーボードを搭載した、まったく新しいアーキテクチャだ。
Appleはまた、マグネット式の充電端子とUSBポートを捨て去り、USB-Cポート4基に置き換えた。内部のクールなX線画像には、クアッドコアのプロセッサ、Appleが設計したセキュリティ用の「T1」チップ、高速化したメモリ、刷新された熱対策のアーキテクチャ(新設計ファンとヒートパイプ)、2倍のダイナミックレンジを持つスピーカーが誇らしげに写っている。
しかし、Macを持ったことがない人に、今、買ってもらうのにこれで十分なのだろうか。
これら全ての性能向上にはコストがともなう。3つの新モデルは旧モデルよりも200ドル以上高くなっている。Appleがメインストリームのバージョンだとする13インチのMacBook ProにはTouch Barが搭載されていない。ただし、より薄型軽量で小型のユニボディデザインは採用されている。既に発売されており、価格は1499ドルからだ。Touch BarとTouch IDを搭載する13インチと15インチのモデルはそれぞれ1799ドルと2399ドルから。
これとは対照的に、13インチで1.35kgの超薄型ノートブック「MacBook Air」のエントリーレベルは999ドルで購入できるようになった(Appleはこのモデルをアップデートせず、11インチで899ドルのMacBook Airは終了する予定だ)。あるいは、軽量でタッチスクリーン搭載のWindowsマシンを選ぶ人もいるだろう。例えば、1000ドルの「Razer Blade Stealth」だ。Acer、ASUS、HP、サムスンなどさまざまなメーカーから「Chromebook」も発売されている。これらは200ドル以下で購入でき、教育市場では既にAppleを脅かすまでになっている。
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