マサチューセッツ工科大学(MIT)Media Labのリサーチスペシャリストで、人間とロボットのインタラクションの専門家でもあるKate Darling氏によると、コンパニオンロボットは「非常に理にかなったもの」だという。「人間は報いのあるなしに関係なく、ありとあらゆる種類の関係を築くことができる。例えば、動物、そして、モノとさえも関係を築くことも可能だ」(Darling氏)
ただし、人間とロボットの間にそうした関係を構築するためには、特定の要素が必要になる。オランダのトゥウェンテ大学の研究者であるMaartje de Graaf氏は、70台のロボットと70の家庭を対象とする6カ月にわたる長期調査で、所有者である人間がロボットを真の伴侶として扱えるようになるためには、ロボットに意味のあるコミュニケーションを行う能力が必要であることを発見した。
同調査での大きな成果は、こうした絆の形成に極めて重要な1つの要素が特定されたことだ。同氏はこれについて、「調査参加者は、個人的な情報をロボットと共有できると感じ、自分の個人的な話に共感し反応する能力がロボットにあると感じた」と米CNETに語った。
林氏はロボットコンパニオンという動向の信奉者と考えていいだろう。同氏は2015年、ソフトバンクを退職し、自身の会社GROOVE Xを創設した。Pepperの後継製品に注力するためだ。
林氏の新しいオフィスは、ネオンで照らされた秋葉原の高層ビルにある。約10人のエンジニアとデザイナーで構成されるチームが、ひとかたまりの机の周りで、小声で話し合っている。情熱的で他の人にも広がる笑顔を持つ林氏がミニマリスト的なオフィス入ってくると、チームのメンバーたちが話を止めて会釈した。このオフィスで、同氏は米CNETとのインタビューに応じ、自身のビジョンについて語ってくれた。
話は寂しさに戻る。寂しさを感じることは有益な本能だと林氏は考えている。人間の進化は、集団を形成するよう促すという形で、寂しさを利用してきた。しかし、核家族は縮小し、より大きな孤立が生まれている。
ソーシャルネットワークやゲームで「寂しさを紛らわせる」手段は得られるが、「癒し」を得るためには、日常生活でもっと意味のある交流が必要だと、林氏は考えている。
ここで同氏の新しいコンパニオンロボットが効果を発揮する。
林氏は自身のロボットを2019年に発売したいと考えている。GROOVE Xは既にそのデザインを決定した。
そのロボットはヒューマノイドにはならない。動物に似たものにもならない。同氏は「他のあらゆるものと全く異なる、完全に新しいもの」になると述べ、「非常にかわいらしく、BB-8よりもかわいいもの」になると付け加えて、期待をあおった。
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