Pepperと違って、このロボットは話さない。サイズもPepperより小さくなる。林氏はこれから登場するもののヒントとして、「スター・ウォーズ」の名前を出した。
筆者は林氏から、「スター・ウォーズ」シリーズの人気ドロイドである「R2-D2」と「C-3PO」のどちらが好きかと尋ねられた。筆者はとてもキュートなR2-D2を選んだ。この質問を受けた人の80%がそう答えるはずだ。林氏は、「R2-D2がかわいらしい理由を説明するのは難しい」と述べた。「しかし、R2-D2がかわいらしいということは分かる」(林氏)
デザインはこのプロジェクトの小さな一部分でしかない。GROOVE Xは開発にさらに3年を費やす。なぜなら林氏にとって、このロボットの構築はエンジニアリングの実践であるのと同時に、人類学と心理学を融合することでもあるからだ。
多くのロボットプロジェクトは完全な「演劇」(宣伝行為またはコンセプト)だが、GROOVE Xのドロイドは「実体」を伴うものになる、と林氏は述べた。そのため、同社で働く約20人の従業員を雇ったとき、林氏は候補者のハードウェアやソフトウェアに関する専門知識以外のことにも注目した。彼らは自分たちの作ろうとしているものが「単に頭のよいAI」ではなく、「生き物」であることを理解する必要があった。
林氏はこの数年間、人々とPepperのやりとりを観察して、自身の新プロジェクトに応用できることを多く学んだ。同氏によると、例えばPepperの会話能力は、人々がこのロボットとの絆を築く上で鍵となる要素ではないという。同氏が気づいたのは、人々はロボットに対して自然に感覚的なコミュニケーションを求めるように思えることだった。
例えば、Pepperをフランスに持って行ったとき、Pepperは日本語しか話さないにもかかわらず、人々から熱烈に歓迎された。人々はPepperを抱きしめ、両頬に口紅の跡を残した。
同様に、Pepperの音声認識は子どもの高い声を認識できるように訓練されていなかったため、子どもたちはロボットと対話できないことに悲しんだ。しかし、Pepperにハグの機能が追加されると、子どもたちのPepperに対する態度は一変した。子どもたちはすぐに、Pepperに身体を伴う愛着を抱いた。
林氏はこの関係性とアニマルセラピーを比較した。アニマルセラピーについては、Darling氏も将来における人間とロボットの関係性を表す優れた指標とみなしている。「アニマルセラピーに効果があることは既に分かっている」と語る林氏は、自身の新しいロボットで、それと同様のレベルの支えと安らぎを与えることを目指している。
19万8000円のPepperの需要が好調なことから、林氏は自身のロボットも関心を集められると確信している。この新しいロボットは消費者にとってPepperより魅力あるものになるだろう、と同氏は豪語した。
価格はどうなるのだろうか。林氏は「手ごろ」な価格になることを願っているが、このテクノロジが「『MacBook Air』より賢い」ことを反映した価格になる見込みだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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