偶然ながら、Wooldridge氏はMotorola時代にOsterloh氏の元でサプライチェーン業務を担当していた。そのWooldridge氏は、Araではほとんど誰でもモジュールを簡単に開発できると述べている。それこそ、「寝室にいる学生」でも、消費者との身体を使った対話方法を模索しているファッションメーカーでも可能だという。
Googleは、説明書や開発者向けテスト環境を提供するほか、米連邦規制当局によるガジェットの認証が必要な場合には、厄介な認証取得プロセスへの対応についてもモジュールメーカーをサポートする予定だ。
Wooldridge氏によると、Googleはモジュールを販売するオンラインストアと、ユーザーがモジュールを交換できるマーケットプレイスを開設する見込みだという(偽造行為を防止するために、GoogleはAraモジュールに関する独自の認証プログラムを運用する予定で、Araスマートフォンは未承認のモジュールを受け付けない)。
「ソフトウェアにおけるアプリのエコシステムと同じくらいの規模で、ハードウェアのエコシステムを構築したい」(Camargo氏)
だが、Googleの本気度を示す最大の兆候は、同社が消費者向けバージョンのAraを単独で開発しようとしていることだろう。これまで、Androidのフラッグシップ機はすべてGoogleのパートナー(最近ではHuaweiとLG)によって開発されてきたが、GoogleはAraで初めて、スマートフォンをゼロから設計している。
Araチームは、2017年に登場するベーシックモデルの価格について、同等の性能を持つ他のプレミアムスマートフォンと同じくらいになるはずだと述べた。
Araが「最も求められる究極のスマートフォン」ではなくなったとしても、これからもPCのようにならないというわけではない。Camargo氏は、プロセッサや無線パーツを取り外す技術は今も存在していると語った。「そのための技術はあるので、進展があるだろう」(Camargo氏)
Googleの「Greybus」(Araの各モジュールが相互に、またAndroid OSとの間でシームレスにインターフェースをとるためのデジタルバックボーン)はすでに、最大11.9Gbpsのデータ転送速度を実現している(USBより高速で、Camargo氏によると消費電力は3分の1)。
技術が安定した段階で、Googleは他社にAraフレームの開発を許可することも意図している、とCamargo氏は述べる。これは、モジュールだけではなく、モジュールスロットを搭載したAraコンピュータ全体だという。
そもそも、Araデバイスがスマートフォンでなければならないとは、誰も言っていない。「研究所には、スマートフォンとまったく関係がなく、電話をかけることもできない構成もある」(Camargo氏)
Camargo氏はもう45分ほど卓球を続けているが、やや熱が入りすぎていることは容易に察せられた。玉が台の向こうまで飛んでしまう。だが、Araの話になると穏やかになる。
「どうしてもこれを消費者に届けなければならない。魅力的で、理解してもらえる製品にする必要がある」。こう語るCamargo氏は、Araというショットは、どうしても決めたいところだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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