また、パーキングメーターのそばにいるときに、NFCを使って、スマートフォンでそのメーターを利用することも可能になる。NFCはほとんどの最近のスマートフォンに搭載されているチップで、ユーザーが決済端末や同様のテクノロジを備えたほかの端末に近づくと、それを感知する。Googleのモバイル決済サービス「Android Pay」に登録済みのユーザーは、別のアプリをダウンロードしなくても、メーターの料金を決済できるようになる。
B&Hのほかにも、GoogleはDisneyはじめとする数社と提携している。Disneyは、乗り物の待ち時間やショーのスケジュールをチェックできるテーマパークアプリのInstant Apps版を用意する予定だ。
断片化は大きな問題かもしれないが、Androidの抱える問題はほかにもある。欧州連合(EU)の独占禁止法規制当局は、GoogleがAndroidの支配的地位を利用して、検索や「Google Chrome」ブラウザなどの自社サービスを競合サービスより優遇していないかを調査中だ。同社のサービス群は、携帯電話メーカーによってプリインストールされている。
Lockheimer氏は、Androidが「基本的に」選択の幅を作り出すものであること、そして、GoogleがEUに協力して懸念の払拭に努めていることに言及し、それ以上のコメントは控えた。
たとえそうだとしても、Androidが今後も成長し続けるために、Googleにはパートナーのサポートが必要である。
Googleは初代のDaydreamビューアとコントローラを2016年秋に発売予定だ。それらは現在唯一のDaydream対応スマートフォンであるGoogleの「Nexus 6P」で動作する。同社は最大のAndroidスマートフォンメーカーであるサムスンをはじめ、複数のパートナーがDaydreamに対応してくれることを期待している。問題は、サムスンが「Gear VR」という独自のVRヘッドセットを既に販売していることだ。Gear VRは、FacebookのOculusチームのテクノロジをベースとしている。
Googleは、アプリ開発者が今後もAndroid向けの開発を続けてくれることも必要としている。開発者をその気にさせるため、Google I/Oで「Firebase」と呼ばれるツールセットも披露した。Firebaseを利用すると、開発者は例えばアプリがクラッシュしたときの状況やタイミングを追跡することで、自分のAndroidアプリを最適化して維持することができる。また、テストを実行して、自分のアプリがさまざまなメーカーの約20種類のAndroidスマートフォンでどのように動作するのか確認することも可能だ。GoogleのDeveloper Products Groupのバイスプレジデントを務めるJason Titus氏は、「開発者たちの引き出しは、さまざまな端末でいっぱいになっている。それを解決することがわれわれの願いだ」と語る。
ただし、これらの機能が実際に重要な意味を持つようになるためには、人々がそれにアクセスできる環境が整っていなければならい。Instant AppsはJelly Bean以降のAndroidを搭載するスマートフォンで動作するので、約96%のAndroidユーザーが利用できる。
ほかの機能については、Googleが断片化の問題に対処し、ワイヤレスキャリアとスマートフォンメーカーを説得して、彼らに一層努力してもらう必要がある。同社は2015年よりAndroidのセキュリティアップデートを毎月リリースするようになったが、それは、パートナーとユーザーが新しいバージョンにアップデートすべき強力な理由になるとLockheimer氏は考えている。
「私の意見を言わせてもらえば、Androidの多くの利点の1つは、幅広い選択肢があることだ。1つのメーカーがたった1種類の端末を販売しているわけではない。『万能の端末が1つある』ということでもない。しかし、選択の幅が広いからといって、迅速なバージョンアップデートを減らしてもいいとは思わない。Googleはこの問題を解決できると私は考えている」(Lockheimer氏)
Googleの未来が、Fで始まる忌まわしい言葉のようになるかどうかは、それにかかっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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