Facebookは、このカンファレンスをF8と呼ぶ理由を公式に説明していないが、同社の伝統である8時間のハッカソン(エンジニアが1回の集まりで製品の開発を試み、コーディングの腕を競うマラソンのようなイベント)にちなむものだと一部で言われている。
今回のF8で目玉になるのは、Messengerだと予測されている。
Messengerの連絡先リストにはFacebook上の友達がすべて含まれているが、Facebookは、Messengerをテキストメッセージに代わる選択肢以上のアプリに育てたい考えだ。同社が望んでいるのは、Messengerをスイスアーミーナイフのような多機能ツールにすることで、ルームメイトに家賃を払ったり、電話をかけたり、レストランを予約したりすることが可能なアプリを目指している。
Messengerを進化させる要因は何かというと、チャットボットだ。現実のロボットではなく、ユーザーに代わって簡単な作業をこなすソフトウェアである。例を挙げよう。Facebookが2015年8月に発表したデジタルアシスタント「M」は、人工知能を利用し、人間のチームによって監督されている。Mは、映画のチケットを買ったり、旅行の予約をしたり、ユーザーに代わって花束を贈ったりすることができる。今はまだ試験段階で、限られたユーザーしか利用できない。
Facebookは、できるだけ多くのユーザーにチャットボットを試してもらいたいと考えている。そのため、開発者や企業が独自のボットを作成しやすくなるソフトェアがF8で発表される見込みだ。こうしたボットはたとえば、大手ブランドでカスタマーサポートとして機能する可能性もある。
非Facebookをこれほどまで強調しながらも、Zuckerberg氏とそのチームはBig Blue Appの拡張も続けている。
その1つが「Facebook Live」の追加だ。これはスマートフォンのカメラを使ってFacebook上でライブ動画を放送できるサービス(「Periscope」のようなもの)で、同社は先週、Facebook Live向けの多数の新機能を発表した。たとえば、動画を加工するフィルタなどがあり、これはInstagramで使えるような写真フィルタのようなものだ(4月8日には、BuzzFeedの提供で、スイカが破裂する様子を写したFacebook Live動画が話題になり、一度に80万人が視聴した)。
また2月にFacebookは、世界的に有名な「いいね」ボタンも拡張した。この機能を表すアイコンはあまりに象徴的で、カリフォルニア州メンローパークにあるFacebook本社に行くと、親指を立てた手の写真が出迎えてくれるほどだ。現在、フィード上の投稿についての感想を示すボタンは1つだけではなくなり、「超いいね」から「悲しいね」「ひどいね」まで、ひととおり並んだ絵文字から選べるようになった。
Facebookはまた、F8で「Instant Articles」ページを全世界のパブリッシャー向けに公開する見込みだ。これで、各パブリッシャーの記事ページが瞬時にスマートフォンにロードされるようになる。Instant Articlesは今まで、The New York Times、Washington Post、BuzzFeedなど、一部のメディア企業でしか利用できなかった。
だが、肝心なのはここだ。Instant Articlesによって超高速ロードされる記事で何か興味を引く内容があったら、筆者はおそらくMessengerのチャットで友達に知らせるだろう。あるいは、非Facebookのどれかを使うかもしれない。そう、Facebook以外だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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