今回の会議には、東京から家族で移住してテレワークにより白浜町で就業を続ける、セールスフォース白浜オフィス長の吉野孝生氏が出席。ふるさとテレワークによる働き方の変化や生産性への影響などについて発表した。
「東京勤務時代は往復2時間かけて通勤していたが、移住後は10分で満員電車に揺られることもなくなった。サテライトオフィスは青い太平洋が一望できるロケーションで、開放的でイノベーティブな環境が生産性向上に寄与していると確信している」と吉野氏。実際、1カ月での商談件数は14%、契約金額は44%も増加したとのことだ。また、通勤時間が短くなったことで月に64時間の自由時間が増え、家族との時間やボランティア活動への参加などを通じて地域に貢献できるなどの成果もあるという。
一方、移住者の不安の要素としては、知り合いがいないことや土地勘がない点、誰に相談していいかわからないといったことなどを挙げる。「勤怠管理、経費精算もすべてクラウド上で行うことができるので、地方にいってもまったく生産性を落とすことなく、仕事をする上では東京と同じ環境でできるが、家族と一緒に地に足を付けて地域に密着したかたちでゆとりある生活を送るために誰に相談したらいいのかが不安だった」と吉野氏。
これに対し白浜町では、移住者をサポートするためのスマートフォンアプリを提供し、例えば災害時にはGPSを利用して避難所情報をプッシュ配信したり、防災、子育て、ボランティア、観光の4つの項目でサポートを行っているといい、今後は同様の取り組みを行う全国の地域でも活用できるようにしていきたいと意気込む。
今回の会議に出席した高市総務大臣は「都市部から地方へ人の流れを創出する、ふるさとテレワーク実証事業は、安倍内閣が最重要課題として掲げる、"一億総活躍社会"、"地方創生"を実現していくために多くを資するもの。各地域においては具体的な成果を出していただき、全国のお手本となるような取り組みを進めてほしい」と実証団体に対してエールを送った。
ふるさとテレワーク実証事業には、他にもグーグル、ミサワホーム総合研究所など都市企業9社が北海道北見市と斜里町に設けるサテライトオフィスに社員を派遣する「北海道オホーツクふるさとテレワーク推進事業」をはじめ、IT系企業や学術機関、地域企業や自治体が連携したモデルケースが全国で展開されている。
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